特集欧州が歩む循環型経済への道
「コロナ後」のより持続可能な未来へ
欧州では、循環型経済確立への取り組みが、気候中立性の実現や資源効率化の観点のみならず、経済の競争力強化の源泉にもなり得るとし、先進的な取り組みを進めている。2019年12月に発足した欧州委員会の新体制は、温室効果ガス排出が実質ゼロとなる「気候中立」を達成するという目標の実現や、資源効率化を実現するための行動計画「欧州グリーン・ディール」を掲げており、2020年3月に発表された循環型経済確立を目指す「新循環型経済行動計画」をその中核に位置付けている。
新型コロナウイルス感染拡大を受けて、各種取り組みは留保を余儀なくされているものの、EUはコロナ後の復興計画として、加盟国の循環型経済への移行支援や民間投資誘導策を打ち出しており、欧州各国で循環経済促進を含めた気候変動対策と「コロナ後」の経済復興を両立できるかが今後のカギとなる。各国の循環型経済確立に向けた取り組みを紹介する。
2020年6月22日
この特集の記事
- ポスト・コロナ、循環型経済推進など環境投資で経済復興に期待(欧州)
- 製品ライフサイクル全体で循環型経済を推進(EU)
- 環境施策を強化、金融のグリーン化に向けた戦略も(英国)
- 国民の分別意識が課題、廃プラリサイクルの現状(英国)
- 政府は新たな規制を導入、小売・園芸業界でも進む脱プラスチックの動き(英国)
- 循環経済法が2月に施行、循環経済型社会へ大きな一歩(フランス)
- 循環経済に向けて廃棄物管理とプラスチック削減に取り組む(ドイツ)
- ファッション業界が模索するサステナビリティー(イタリア)
- フランダースの循環型経済は調達、ビジネス、都市の3本柱で推進(ベルギー)
- 広がりつつあるリサイクル促進の取り組み(チェコ)
- 民間団体・企業が主導の循環型経済へ向けた取り組み(スイス)