米シェブロンとスウェーデンのベースロード・キャピタル、地熱発電開発の合弁会社設立
(米国、スウェーデン)
ヒューストン発
2022年12月16日
米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)は12月14日、スウェーデンの地熱発電開発投資企業ベースロード・キャピタル(本社:ストックホルム)と、米国の地熱発電プロジェクト開発のための合弁会社を設立すると発表した。
同合弁会社は、両社の地熱事業の経験と、従来の石油・ガス分野の掘削・仕上げなどのコア技術を活用し、地熱技術を推進することを目的としている。地熱エネルギーは、ベースロードとなる(注)信頼性の高い電力を供給し、将来のエネルギーシステム開発の重要な要素として注目されている。両社は、低炭素社会の実現にはあらゆる形態のエネルギーが必要であり、地熱発電は信頼性の高い再生可能エネルギー源として、ほかの低炭素社会に向けたソリューションの実現も可能にするものとしている。
両社は、地熱発電の開発・運営に最適な案件の特定や、次世代の地熱技術の実証実験規模から商業規模への発展など、地熱発電の機会促進で協力する。両社が特定した最初のプロジェクトは、米国ネバダ州ウィーパヒルズのプロジェクトとなる。
シェブロン・ニュー・エナジーズのオフセット・新規事業担当バイスプレジデントのバーバラ・ハリソン氏は「われわれは、ベースロード・キャピタルと、この合弁会社で提携できることをうれしく思っており、われわれの経験と技術的強みを生かし、地熱分野をリードできる最高の位置にいると信じている」と述べた。
シェブロンの脱炭素化に向けた最近の取り組みには、9月に発表した三井石油開発との地熱開発技術に関する提携(2022年9月29日記事参照)、船舶向けの燃料電池を開発しているゼロ・エミッション・インダストリーズへの資金援助(2022年10月3日記事参照)、10月発表のエア・リキードなどとの水素・アンモニア製造施設開発プロジェクトでの提携(2022年10月20日記事参照)、11月発表のJERAとアジア太平洋地域と米国の脱炭素分野などでの提携(2022年11月9日記事参照)、商船三井との二酸化炭素(CO2)回収・利用・貯留(CCUS)向け液化CO2海上輸送事業開発での提携(2022年11月11日記事参照)などがある。
(注)発電のコストが低く、季節や時間帯に関係なく継続的・安定的に供給される発電量のこと。その電源は「ベースロード電源」と呼ばれる。
(沖本憲司)
(米国、スウェーデン)
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