米シェブロン、水素・アンモニア製造施設開発プロジェクトでエア・リキードなどと提携

(米国、フランス、ドイツ)

ヒューストン発

2022年10月20日

米国の石油大手シェブロンは1019日、フランスの産業ガス大手エア・リキード、米国の化学大手ライオンデルバゼル、ドイツのエネルギー大手ユニパーと、米国メキシコ湾岸地域における水素アンモニア製造施設の開発に向けた共同研究で提携すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

水素・アンモニアは、燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないことから、脱炭素化に向けたエネルギーとして注目されている。シェブロンなどのコンソーシアムは、共同研究を通じて、アンモニア・石油化学・電力プラントやモビリティ市場などに対して、再生可能エネルギーを利用して製造するグリーン水素や、天然ガスを基にCO2の回収・貯留(CCS)を活用して生産されるブルー水素の供給可能性のアセスメントを行うとしている(注)。

シェブロンはまた、将来的に開発が想定される水素・アンモニア製造施設について、パイプラインが整うメキシコ湾岸地域のインフラを活用し、同地域の産業部門の脱炭素化およびモビリティでの水素の活用支援が期待されるとしている。また、将来的には製造・輸出拠点を整備することで、欧州やアジア太平洋地域へ水素を輸出し、国際的に低炭素な電力供給の増加に貢献することが期待されるとしている。

シェブロン・ニュー・エナジーズの水素担当バイスプレジデントであるオースティン・ナイト氏は「われわれは、より低炭素なソリューションの展開を加速させることを目指しており、当社のような企業は、これを実現するために必要な能力をもたらせると信じている。われわれは、この取り組みの一員となれることをうれしく思う」と述べた。

シェブロンの脱炭素化に向けた最近の取り組みとして、9月に米国エネルギー省の国立再生可能エネルギー研究所との技術インキュベータの設立(2022年9月12日記事参照)、エア・リキードなどとのCO2回収・利用・貯留(CCUS)コンソーシアムの結成(2022年9月22日記事参照)、三井石油開発との地熱開発技術に関する提携(2022年9月29日記事参照)、船舶向けの燃料電池を開発しているゼロ・エミッション・インダストリーズへの資金援助(2022年10月3日記事参照)などがある。

(注)グレー水素製造工程で排出されたCO2を回収・貯留または利用(CCSCCUS)することでCO2排出を抑えた水素は「ブルー水素」とも呼ばれる。

(沖本憲司)

(米国、フランス、ドイツ)

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