JERAと米シェブロン、アジア太平洋地域と米国の脱炭素分野などで提携

(米国、日本、オーストラリア)

ヒューストン発

2022年11月09日

国内外で火力発電や再生エネルギー事業などに取り組むJERA(本社:東京都中央区)は11月8日、子会社を通じて、米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)との間で、脱炭素分野などの共同検討に関する合意書を締結したと発表した。

発表によると、両社は、世界的な脱炭素社会へのニーズを背景に、アジア太平洋地域と米国での低炭素燃料の生産、二酸化炭素(CO2)回収・有効利用・貯留(CCUS)、新技術による事業からなる脱炭素分野などでの事業機会の可能性について協議を重ねてきた。今回の合意書に基づき、両社はオーストラリアでの低炭素燃料製造プロジェクトの開発にかかる実現可能性調査を2023年内の完了を目標に進めていくとしている。検討には、シェブロンが蓄積を重ねた液化天然ガス(LNG)開発・生産やCO2回収・貯留(CCS)に関するノウハウを活用するという。

両社はさらに、米国での水素製造プロジェクトの開発や液体有機水素キャリア(Liquid Organic Hydrogen Carrier、LOHC)を活用した事業化実現可能性の調査を実施するとしている。LOHCは、水素バリューチェーンで効率的な水素の輸送や長期間貯蔵ができるキャリアとして期待されている。両社は2021年9月にLOHCの独自技術を有するドイツのハイドロジーニアスに出資しており、この技術や知見を活用するという。

JERAは米国でエネルギーの安定供給や脱炭素化に取り組んでおり、5月にマサチューセッツ州とメーン州での火力発電事業の権益取得を発表し(2022年5月16日記事参照)、9月にドイツのユニパー・グローバル・コモディティーズとユニパー・グローバル・コモディティーズ・ノース・アメリカとの間で、LNGと米国産クリーンアンモニアの調達・販売に係る共同検討の覚書を締結したと発表した(2022年9月6日記事参照)。10月にはクリーンエネルギー供給基盤構築に向け米国インタートラスト・テクノロジーズに出資したと発表した(2022年10月13日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、日本、オーストラリア)

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