商船三井と米シェブロン、CCUS向け液化CO2海上輸送事業開発で提携

(米国、日本、シンガポール、オーストラリア)

ヒューストン発

2022年11月11日

海運大手の商船三井と米国石油大手シェブロンは11月10日、シェブロン子会社のシェブロン・ニュー・エナジーズ・インターナショナルを通じて、シンガポールで排出される二酸化炭素(CO2)を回収した後に液化し、オーストラリア沖貯留地まで海上輸送するための事業開発協力に関する覚書を締結したと発表した。

両社は同覚書に基づき、液化CO2の海上輸送に適した船舶の技術的・商業的実現可能性を検討する。2030年までのCO2回収・有効利用・貯留(CCUS)の操業開始を目標にしており、操業後は年間250万トンの液化CO2の海上輸送を見込む。両社は本検討を通じて、シンガポールで排出されるCO2の大規模な回収・輸送・地下貯留、またアジア太平洋地域におけるCCUSバリューチェーン構築に貢献する方針だ。

商船三井の野間康史執行役員は「当社は、従来の海運業に加えて、社会インフラサービスの開発および提供者として、今回、シェブロンと共同でアジア太平洋地域にCCUSソリューションを提供する機会を得られたことを大変光栄に思う。今後、CCUSや再生可能エネルギーを含む低・脱炭素化のグローバルソリューション提供に向けて、シェブロンとさらなる協業を図りたい」と述べた。また、シェブロン・ニュー・エナジーズでCCUS担当バイスプレジデントを務めるクリス・パワーズ氏は「商船三井との覚書の合意は、CCUSの技術的・商業的基盤の地域的アプローチの確立に加え、同地域のCO2排出ゼロの野心に向けて価値ある進展につながる。1社単独で全ての解決策を提示することはかなわないが、両社が協力することで、低・脱炭素社会の未来実現という共通目標を切り開く一助となる」と述べた。

なお、シェブロンは2022年9月に、フランスのエア・リキードなどと、シンガポールにおける大規模なCCUSソリューションおよび統合インフラの開発を評価・推進するためのコンソーシアム設立の覚書に調印したことを明らかにしている(2022年9月22日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、日本、シンガポール、オーストラリア)

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