政府、2024年までの活動基本方針を決定
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2018年10月03日
ドミトリー・メドベージェフ首相は9月29日、プーチン大統領の任期末となる2024年までの政府活動の指針となる「2024年までのロシア連邦政府の活動基本方針」(以下、方針)に署名し、10月1日に公表した。5月7日にプーチン大統領が発表した2024年までの内政目標(2018年5月8日記事参照)の実現に向けた政府の行動方針を示したもの。
方針は、政府の国家目標と優先的活動、目標達成に向けた政策手法の2つに分かれる。政府目標は7つに分けられ、6人の副首相が担当する(表参照)。メドベージェフ首相は6月18日の政府会合で「副首相は個別の目標を管理し、その下で大臣は政策を進め個別の責任を負う」と述べており、政策目標の達成に対する担当副首相、閣僚の責任を明確にする。
「目標達成に向けた政策手法」については、a.経済成長のための条件創出、b.デジタル・科学技術の発展、c.各経済分野の発展、d.社会制度の発展と生活向上、e.バランスの取れた地域の発展、f.国家運営の質の向上、の6つの項目に分けられ、 大枠の活動方針が明示されている。今後、11月15日までに担当副首相は各大臣、連邦政府機関と協議を行い、方針の具体的な事業計画、モニタリング方法などを検討し、メドベージェフ首相に報告する。
政権目標の達成に向け、政府は8兆ルーブル(約13兆6,000億円、1ルーブル=約1.7円)の追加財源が必要と試算している。財源確保のため、2018年第2四半期に付加価値税(2018年8月6日記事参照)や鉱物資源採掘税(2018年9月21日記事参照)の引き上げ、年金制度改革(2018年6月15日記事参照)、特定産業からの「余剰利益」の徴収(2018年8月20日記事参照)など、国民や企業に負担を強いる制度変更を矢継ぎ早に実施しており、一部国民から反発を受ける状況(2018年8月30日記事参照)となっている。
(高橋淳)
(ロシア)
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