米シェブロン、トヨタと再生可能ガソリンの走行実証実験を開始
(米国、日本)
ヒューストン発
2023年04月18日
米国石油大手シェブロンの子会社シェブロンU.S.A.(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)は4月17日、再生可能成分を50%以上含むガソリンにより、ミシシッピ州からルイジアナ州を経てテキサス州まで、トヨタのタンドラ、RAV4、カムリを用いた走行実証実験を開始したと発表した。実証実験では、ライフサイクルベースで従来のガソリンよりも40%以上の炭素強度(注)低減が可能かを検証するとしている。
発表によると、シェブロンは、輸送の未来は低炭素にあると考え、顧客向けにバイオ燃料ソリューションの提供を拡大している。同社はバイオディーゼルや再生可能ディーゼル、再生可能天然ガスを製造・販売しており、カリフォルニア州では現在、水素ステーションを整備中だ(2022年2月25日記事参照)。これらの取り組みを補完するため、シェブロンは現在のインフラで製造され、ほとんどのガソリン車で使用可能な再生可能ガソリンを開発、製造、試験してきたという。
シェブロンの米州燃料・潤滑油部門のアンディー・ウォルツ社長は「運輸部門の炭素強度を低減するには、複数のソリューションが必要だ」「現在、米国では2億6,500万台以上のガソリン車が走っているが、再生可能ガソリンにより、ほぼ全てのドライバーがより低炭素な輸送の未来に貢献することができる。内燃機関と互換性のある低炭素技術を実証する機会で、トヨタと提携できることをうれしく思う」と述べた。
シェブロンの直近の脱炭素化事業には、3月のテキサス州沖合の二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)事業を陸上への拡張や(2023年3月7日記事参照)、JERAと米国やオーストラリアでのCCS事業での提携(2023年3月8日記事参照)、4月のギリシャ海運会社とアンモニアキャリアの共同研究契約締結(2023年4月14日記事参照)などがある。
(注)エネルギー単位当たりの二酸化炭素(CO2)排出量、すなわち、CO2排出原単位を示す。炭素集約度とも呼ばれている。
(沖本憲司)
(米国、日本)
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