米シェブロン、テキサス州沖合のCCS事業を陸上にも拡張へ
(米国)
ヒューストン発
2023年03月07日
米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)は3月6日、これまでテキサス州東部ジェファーソン郡沖合で約4万エーカー(約162平方キロ)の事業用地で進めていたバイユーベンド二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)事業を、テキサス州チェンバース郡とジェファーソン郡の陸上約10万エーカー(約405平方キロ)の用地取得によって拡大すると発表した。
これにより、バイユーベンドCCS事業は米国最大級のCCS事業となり、ヒューストン航路に加え、ボーモントとポートアーサー地域という国内最大級の工業地帯に位置するこの産業集積地から約10億トンのCO2を貯留可能としている。
バイユーベンドCCS事業に関する合弁会社の出資比率は、シェブロン50%、米タロス・エナジー25%、米カーボンバート25%のままだが、同事業の主たる運営者は3月1日付でタロスからシェブロンになった(2022年5月27日記事参照)。
シェブロン・ニュー・エナジーのCO2回収・利用・貯留(CCUS)担当バイスプレジデントのクリス・パワーズ氏は「CCUSやそのほかの低炭素化ソリューションを脱炭素化が困難な産業に提供することは、当社の使命の基本だ。テキサス州南東部の出身者として、これらの産業が地域社会とその経済にとっていかに不可欠かを知っている。バイユーベンドCCS事業は、今回の事業拡張により、ヒューストンからルイジアナ州西部までのメキシコ湾岸の幅広い地域でCCUSソリューションを提供可能になった」と述べた。
シェブロンの直近の脱炭素化事業には、1月のメキシコ湾岸の大規模水素ハブ開発コンソーシアムを通じた水素事業の商業化加速や(2023年2月7日記事参照)、2月の循環型燃料経済拡大に向けた使用済み食用油のトラック燃料への再利用(2023年2月13日記事参照)、シンガポールのセムコープ・マリンとの低炭素型LNG(液化天然ガス)船隊改造プロジェクト発表(2023年2月28日記事参照)などがある。
(沖本憲司)
(米国)
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