JERA、米シェブロンと米国やオーストラリアでのCCS事業で提携

(米国、日本、オーストラリア)

ヒューストン発

2023年03月08日

日本の発電会社JERAは3月8日、米国石油大手シェブロンと、米国やオーストラリアをはじめとした地域において、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)に関する新規事業開発の可能性を共同で検討するための覚書を締結したと発表した。両社の脱炭素分野における事業機会の拡大に加え、国際的な脱炭素社会への移行にも寄与することを目指すとしている。

カーボンニュートラル実現に向け、CO2を地中に貯留するCCSは、CO2の排出削減が困難な産業にとって不可欠な技術とされている。米国をはじめとした各国において積極的に政府支援がなされ、世界各地でCCS事業が計画されているという。

発表によると、両社はオーストラリアにおいて、低炭素燃料製造プロジェクトの開発にかかる実現可能性調査を進めている。また、米国では、水素製造プロジェクトの開発や液体有機水素キャリア(Liquid Organic Hydrogen Carrier:LOHC)を活用した事業化実現可能性の調査を行っている(2022年11月9日記事参照)。

JERAは、米国でエネルギーの安定供給や脱炭素化に向けた取り組みを進めており、2022年5月にマサチューセッツ州とメーン州での火力発電事業の権益取得を(2022年5月16日記事参照)、10月にクリーンエネルギー供給基盤構築に向けた米国インタートラスト・テクノロジーズへの出資を(2022年10月13日記事参照)、11月に日本郵船、商船三井と燃料アンモニアの輸送での協業を(2022年11月28日記事参照)、そして12月に英国ゼノベとの米国蓄電池事業の共同開発における提携を(2022年12月19日記事参照)それぞれ発表した。また2023年1月には、米国CFインダストリーズとブルーアンモニア製造・燃料アンモニア調達で提携を発表した(2023年1月19日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、日本、オーストラリア)

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