JERAと英ゼノベ、米蓄電池事業の共同開発合意書を締結

(米国、日本、英国)

ヒューストン発

2022年12月19日

日本の発電会社JERAは12月16日、米国子会社JERAアメリカズを通じて、英国の大手蓄電池事業者であるゼノベ・エナジーの子会社であるゼノベ・アメリカズとの間で、米国北東部の2つの電力市場であるニューヨーク州(注1)およびニューイングランド地方(注2)における蓄電池事業の共同検討に関する合意書を締結したと発表した。

発表によるとJERAは、米国では、脱炭素化の流れを受けて、今後も蓄電池導入量は大きく伸びると見通している。なかでもニューヨーク州およびニューイングランド地方は、蓄電池の大規模な導入見込みが示されるなど事業展開にあたり有望な市場で、これらの電力系統に接続するJERAアメリカズ保有の火力発電設備を活用した事業展開も可能な地域だという。

JERAは2019年2月にゼノベ・エナジーに出資し、英国における蓄電池事業に参画している。本合意書に基づき、JERAアメリカズとゼノベ・アメリカズは、ニューヨーク州およびニューイングランド地方において、再生可能エネルギーの導入拡大を支えるための、単独設置型や再生可能エネルギー電源併設型などの蓄電池事業の開発について共同で検討する。また、これら地域などで、JERAアメリカズが保有する設備における大規模蓄電池事業の適用可能性についても調査を実施する。

JERAは、米国でエネルギーの安定供給や脱炭素化に向けた取り組みを進めており、2022年5月にマサチューセッツ州とメーン州での火力発電事業の権益取得を発表した(2022年5月16日記事参照)。10月には、クリーンエネルギー供給基盤構築に向け、米国インタートラスト・テクノロジーズへの出資を発表した(2022年10月13日記事参照)。11月には、米国シェブロンとアジア太平洋地域と米国の脱炭素分野などで提携(2022年11月9日記事参照)、日本郵船、商船三井と燃料アンモニアの輸送に向け協業(2022年11月28日記事参照)を発表した。

(注1)ニューヨーク州独立系統運用者が管理する電力市場および電力系統。

(注2)ニューイングランド地方の独立系統運用者が管理する電力市場および電力系統。

(沖本憲司)

(米国、日本、英国)

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