モデルナ、新型コロナ追加接種用2価ワクチンの臨床結果を発表、中和抗体価が15.1倍に上昇

(米国)

ニューヨーク発

2022年11月18日

米国のモデルナは11月14日、同社製のオミクロン株に対抗する追加接種用2価ワクチンの最新の臨床データを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同社の2価ワクチンには、新型コロナウイルス・オミクロン型変異株の「BA.1」に対応する「mRNA-1273.214」(2022610日記事参照)と、831日に米国食品医薬品局(FDA)から緊急使用承認を受けたオミクロン型変異株「BA.4」および「BA.5」に対応する「mRNA-1273.222」とがある。

発表によると、臨床試験では1989歳を対象に、最後のワクチン接種から4カ月半後に1価ワクチンの追加接種をし、その5カ月後に「mRNA-1273.222」の2価ワクチンを接種した。その結果、「BA.4」および「BA.5」に対する中和抗体価が追加接種前から15.1倍に上昇し、このうち、感染歴のない人は26.4倍、感染歴のある人は9.8倍の増加だったとしている。また、1865歳と6589歳に分けたグループでも差はなかったとしている。

また、少人数ではあるが40人を対象としたオミクロン型変異株「BQ.1.1」に関する測定分析では、両2価ワクチンとも、中和抗体価は「BA.4」「BA.5」型に対する値と比較して5分の1に低下したものの、強固な中和活性が示されたとしている。

同社は、両2価ワクチンとも、安全性と忍容性については1価ワクチンの追加接種と同程度で、副反応は1価ワクチン2回目の接種よりも全般的に低かったとしている。

ファイザー・ビオンテックもまた、114日に「BA.4」と「BA.5」に対抗する2価ワクチンの臨床結果を発表している(2022117日記事参照)。

米国疾病予防管理センター(CDC)の統計によると、米国国内の11612日の新規感染者のうち、オミクロン株「BA.5」が全体の29.7%を占めているが、「BQ.1.1」が24.1%、「BQ.1」が20.1%と、101622日のデータ(20221025日記事参照)と比較して「BQ.1」と「BQ.1.1」が急速に増加している。

(吉田奈津絵)

(米国)

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