米モデルナ、新型コロナの改良ワクチンを発表、ノババックスの緊急使用承認は延期に
(米国)
ニューヨーク発
2022年06月10日
米国のモデルナは6月8日、現在開発中の新型コロナウイルスに対する改良ワクチンの臨床試験において、現時点で利用可能な同社製ワクチンよりも、接種から1カ月後におけるオミクロン株に対する有効性が高い結果を出したと発表した。
ステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は、「この新しいワクチンは懸念すべき変異株に対する有効性に耐久性があることが予想されており、2022年秋に向けた追加接種用ワクチンの候補としては最も有望だ」とし、「夏の終わり頃までには利用可能となることを目標として、関連当局に申請する予定だ」と述べた。
この改良ワクチンが、昨今出現し出している、オミクロン株の新派生型の「BA.4」と「BA.5」にも有効性があるかは発表されておらず、モデルナのスティーブン・ホーグ社長は、これに関し「現在データを集めている」としている(「ニューヨーク・タイムズ」紙電子版6月8日)。
ノババックス、FDAの承認は延期に
ノババックスは6月7日、米食品医薬品局(FDA)が諮問委員会を開き、18歳以上を対象とした同社の新型コロナウイルス感染症用のワクチン、ノババックスの緊急使用許可の承認を採決し、賛成21、反対0、棄権1で、推奨するとの結論を出したと発表した。他方、FDAは米メディアCNBCに対し、ノババックスは、FDAの諮問委員会が開かれる数日前の6月3日、FDAに対して生産プロセスの変更を届け出た点を明かしており、まだ正式な承認には至っていないとしている。同社の発表によると、ノババックスは既に40以上の国々で使用されており、世界保健機関(WHO)からも緊急使用承認の許可を得ているとしている。またFDAに承認されれば、米国で初のタンパク質ワクチンとなるとのことだ。
(吉田奈津絵)
(米国)
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