バイデン米大統領とトラス新首相が電話会談、「特別な関係」を再確認
(米国、英国)
米州課
2022年09月08日
米国のジョー・バイデン大統領は9月6日、英国首相に就任したエリザベス・トラス氏と電話会談を行い、祝意を伝えた。トラス氏は同日、エリザベス女王の任命を受け、英国首相に就任した(2022年9月7日記事参照)。
ホワイトハウスの発表によると、バイデン大統領とトラス首相は、両国の「特別な関係(special relationship)」を再確認するとともに、両国関係を一層深化させる用意があることを表明した。両首脳はまた、ロシアの侵略を受けているウクライナの支援、中国によって引き起こされる課題への対処、イランの核兵器開発の阻止、持続可能で安価なエネルギー資源の確保など、グローバルな課題に対して、引き続き緊密に協力することの重要性について議論した。
両国の通商関係については、ドナルド・トランプ前大統領とテレーザ・メイ元首相が2018年7月に自由貿易協定(FTA)の締結を目指すことで合意し(2018年7月17日記事参照)、2020年5月には実際に交渉を開始していた(2020年5月8日記事参照)。しかし、「労働者中心の通商政策」を掲げるバイデン政権の下では新たなFTA交渉は進んでいない。こうした状況を踏まえ、両国は2022年3月に、FTAという枠組みではなく、貿易・投資関係強化に向けた「大西洋貿易の未来に関する対話」を開始すると発表した(2022年3月17日記事参照)。
同対話は、バイデン大統領とボリス・ジョンソン前首相が2021年6月に発表した「新大西洋憲章」を踏まえて創設された。初会合は同3月、メリーランド州で行われ、中小企業が貿易投資を促進するための支援策やデジタル経済の活性化、強制労働への対処、貿易を通じた脱炭素経済への意向などについて協力することを約束している(2022年3月24日記事参照)。また、英国はインディアナ州と覚書を結ぶなど、米国の各州との貿易・経済関係強化も行っており(2022年6月6日記事参照)、今後、トラス新首相の下で、こうした通商関係がどのように進展されるのか注目される。
(赤平大寿)
(米国、英国)
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