米西海岸の主要2港、滞留コンテナへの追加課金開始を11月22日まで延期
(米国)
ロサンゼルス発
2021年11月17日
米国西海岸のロサンゼルス港とロングビーチ港は11月15日、コンテナの滞留が改善したため、同日以降から予定していたコンテナ超過滞留料金の課金開始を11月22日まで延期するとそれぞれ発表した(ロサンゼルス港、ロングビーチ港)。両港は、コンテナの滞留を早期に解消するため、海上輸送業者に対し、一定期間滞留したコンテナ1個につき、1日当たり累積的に100ドルの追加料金を11月15日以降から課す方針を決定していた(2021年10月28日記事、11月1日記事参照)。
課金開始時期の延期について、ロサンゼルス港湾局のジーン・セロカ局長は声明で、「ここ数週間で輸入コンテナの流れは大幅に改善した」「海運会社、海上ターミナル、トラック、荷主など、サプライチェーンを構成する多くの関係者の協力に感謝している。11月22日に向けて引き続きデータを注視していく」と述べている。
また、ロングビーチ港湾局のマリオ・コルデロ局長は「追加料金の課金を延期することでより多くの時間を確保し、必要な対策に焦点を当て続けることができる」と説明している。
ロサンゼルス港とロングビーチ港は、追加料金課金の方針を発表した当初の段階から、コンテナ滞留の状況が改善された場合に課金開始を延期する考えを示しており、実際、方針が示された10月26日以降、状況に改善の兆しがみられていた(2021年11月8日記事参照)。
ロサンゼルス港では、10月26日時点で約9万1,300個あったコンテナが、11月16日時点で7万2,694個まで減少している。9日以上滞留しているコンテナは、約3万9,000個から2万8,419個に減少した。ロングビーチ港では、課金対象のコンテナが11月16日時点で1万9,813個となっており、10月28日に比べて24%減少している。
もっとも、沖合で入港を待つコンテナ船の数とその平均停泊日数(11月16日現在)は、ロサンゼルス港で34隻と17.7日、ロングビーチ港で39隻と16.2日となっており、依然として過去最高水準にある。米国西海岸の物流の混乱は引き続き予断を許さない状況だ。
(永田光)
(米国)
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