米西海岸の主要2港、海上輸送業者に追加料金を課金、混雑解消急ぐ

(米国)

ロサンゼルス発

2021年10月28日

米国西海岸の主要港であるロサンゼルス港とロングビーチ港は10月25日、ターミナルでの輸入コンテナの滞留(注1)を早期に解消するため、海上輸送業者に対し、11月1日から追加料金を課す方針を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注2)。

トラックで輸送するコンテナは9日以上、鉄道で輸送するコンテナは3日以上滞留した場合(注3)には、コンテナ1個につき1日当たり100ドルの追加料金が課せられる。徴収した追加料金は、港湾の混雑解消を目的とした取り組みへの投資資金に充てるという。

今回の方針について、ロサンゼルス港湾局のジーン・セロカ局長は「沖合で停泊中の貨物船の数を減らすためには、港での貨物移動を迅速に行わなければならない」「引き取りを待つコンテナを減らすことができれば、ターミナルに空きスペースができ、空荷の受け入れや輸出の処理が可能になり、港を利用するさまざまな貨物所有者の流動性が向上する」と説明している。また、ロングビーチ港湾局のマリオ・コルデロ局長は「ターミナルにはスペースが不足しており、今回の措置により、停泊中の貨物船のコンテナを下ろすためのスペースを確保することができる」と説明している。

カリフォルニア州政府や地元自治体も対策に乗り出す

米国で深刻化する貨物輸送の混雑を解消するため、バイデン大統領が10月13日に両港の運営を24時間週7日体制とする方針を示した(2021年10月14日記事参照)のに続き、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は20日、コンテナの短期的な保管や利用が可能な土地の特定、現行の車両総重量の制限を一時的に免除すべき貨物輸送ルート特定などを関係機関に指示する知事令を発出外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これを受けて、ロングビーチ港が所在するロングビーチ市は22日、2段重ねか8フィートに制限されているコンテナの積み上げ制限を4段(消防署の許可を得た場合は5段)重ねまで可能とする措置を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

(注1)10月27日時点でロサンゼルス港とロングビーチ港があるサンペドロ湾沖合で入港を待つコンテナ船は76隻となっている。

(注2)10月29日の両港湾の審議会で開始を15日以降とすると変更。

(注3)29日に修正が入り、トラックで輸送するコンテナは9日目から、鉄道で輸送するコンテナは6日目より、コンテナ1個につき1日当たり100ドルの累積の追加料金が課せられる。例えば、滞留の9日目は100ドルの追加、10日目は200ドルの追加、11日目は300ドルの追加により3日間の累積で600ドルが課金となる。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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