バイデン米大統領、西海岸の貨物混雑解消に向けた取り組み発表

(米国)

ロサンゼルス発

2021年10月14日

ジョー・バイデン米国大統領は10月13日、ロサンゼルス、ロングビーチ両港湾局や国際港湾倉庫労働組合(ILWU、注)とバーチャル形式で面談し、米国で深刻化する貨物輸送の遅れなどサプライチェーン上の問題(2021年9月24日記事参照)を解決する取り組みを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。両港湾局の年中無休(24時間・週7日)運営を実現するに当たり、港から迅速に貨物を動かすため港湾労働者の業務を拡充し、物流業者や荷主からも協力を得る。

ロサンゼルス港は今後、運営時間を拡大し、夜間・週末も運営を行う。ロングビーチ港は既に9月17日に試験的に夜間運営を開始すると発表しており、ゲート時間の延長でより多くの貨物の引き上げを実現するよう努めてきた。ILWUも港の夜間運営の拡大に合わせ、荷役業務の増加に応じる意向を示している。

バイデン政権との協議に参加した物流業者や小売り大手なども対応を強化する。UPS とフェデックスは従業員の夜間シフトを増やし、港からの貨物引き上げの増加に対応する。小売り最大手のウォルマートは今後数週間かけて夜間シフトを50%増やし、住宅用建材小売りホームデポも夜間の貨物引き上げを週10%増やす。そのほか、ディスカウントストア大手のターゲットや家電メーカーのサムスン電子も今後90日間、夜間の貨物引き上げを増やす。バイデン大統領は会見で、ターミナルオペレーターや鉄道、トラック業者、荷主、小売りを含む他の民間企業も対応業務を拡大して欲しいと呼び掛けた。

ロサンゼルス港とロングビーチ港は合わせて米国の輸入コンテナの40%を取り扱い、米国経済にとって重要な存在だ。両港近辺には高速道路や鉄道、倉庫などの物流システムが集中している。ホワイトハウスの発表によると、ロサンゼルス港では夜間は日中に比べ25%早く貨物を移動でき、夜間業務の拡大によって日中の貨物の混雑を緩和することができるという。

(注)主に西海岸の港湾労働者から成る労働組合。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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