米USTR、新型コロナ対策として医療分野で対中追加関税の除外を検討、パブコメ募集開始
(米国)
ニューヨーク発
2020年03月25日
米国通商代表部(USTR)は3月23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、医療関連製品について対中追加関税の適用除外に向けたパブリックコメントを募集することを明らかにした。正式には3月25日の官報で公示予定だが、既に多くのコメントが寄せられており、同ウイルス対策として医療関連製品について関税上の緩和措置が期待される。
今回USTRがコメントを受け付けるのは、1974年通商法301条に基づき中国に課している追加関税の対象品目のうち、新型コロナウイルスに対応するための医療関連製品に限られる(注1)。なお、これまでの除外申請プロセスで審査中または否認された製品でもコメントが可能であり、コメントの提出期限は6月25日までとしているが、必要に応じて延長される可能性がある。
USTRはこれまで、人工呼吸器や酸素マスクなどは追加関税の対象から外し、追加関税の対象となっている医療関連製品についても200件近い適用除外を承認してきたと説明しつつ、新型コロナウイルスの感染拡大へのさらなる対応として、今回、国民や産業界などから意見を募るとしている。米国でのコロナウイルスの感染拡大が顕著となった3月以降、USTRは医療用衣類や使い捨てマスクなどについて追加関税の適用除外を発表している(2020年3月11日記事、2020年3月17日記事参照)。
パブリックコメントは、米国連邦政府のポータルサイトで受け付けており(注2)、377件のコメントが既に提出されている(2020年3月23日時点)。コメントを行う際は、製品詳細(該当するHTSコード10桁や製品の機能、仕様など)や新型コロナウイルスとの関連性について説明を提示することが必須となっている。
(注1)対中追加関税の対象品目については、USTRウェブサイトにおいて検索が可能。
(注2)米連邦政府のポータルサイトregulations.govのドケット番号がUSTR-2020-0014となる。
(注3)各リストの品目別適用除外制度の概要については以下の記事を参照。
- リスト1(2018年7月12日記事参照)
- リスト2(2018年9月19日記事参照)
- リスト3(2019年6月24日記事参照)
- リスト4A(2019年10月23日記事参照)
(注4)これまでに発表された各リストの適用除外対象品目の発表日および詳細は以下の記事を参照。
【リスト1】
- 1回目:2018年12月28日(2019年1月4日記事参照)
- 2回目:2019年3月25日(2019年3月28日記事参照)
- 3回目:4月18日(2019年4月18日記事参照)
- 4回目:5月9日(2019年5月13日記事参照)
- 5回目:6月4日(2019年6月5日記事参照)
- 6回目:7月9日(2019年7月16日記事参照)
- 7回目:9月20日(2019年9月24日記事参照)
- 8回目:10月2日(2019年10月3日記事参照)
- 9回目:12月17日(2019年12月17日記事参照)
- 10回目:2月11日(2020年2月13日記事参照)
【リスト2】
- 1回目:2019年7月31日(2019年8月1日記事参照)
- 2回目:9月20日(2019年9月24日記事参照)
- 3回目:10月2日(2019年10月3日記事参照)
- 4回目:12月17日(2019年12月17日記事参照)
- 5回目:2020年2月25日(2020年2月26日記事参照)
【リスト3】
- 1回目:2019年8月7日(2019年8月7日記事参照)
- 2回目:9月20日(2019年9月24日記事参照)
- 3回目:10月28日(2019年10月30日記事参照)
- 4回目:11月13日(2019年11月14日記事参照)
- 5回目:11月29日(2019年11月28日記事参照)
- 6回目:12月17日(2019年12月17日記事参照)
- 7回目:2020年1月6日(2020年1月7日記事参照)
- 8回目:2020年2月4日(2020年2月5日記事参照)
- 9回目:2020年2月20日(2020年2月21日記事参照)
- 10回目:2020年3月16日(2020年3月16日記事参照)
【リスト4A】
- 1回目:2020年3月10日(2020年3月11日記事参照)
- 2回目:2020年3月17日(2020年3月17日記事参照)
(藪恭兵)
(米国)
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