対中追加関税、リスト1の適用除外品目の第4弾を発表
(米国、中国)
ニューヨーク発
2019年05月13日
米国通商代表部(USTR)は5月9日付の官報で、1974年通商法301条に基づく対中追加関税賦課に関して、中国原産の輸入品に関するリスト1(対中輸入額340億ドル相当のHTSコード上位8桁ベース818品目)(2018年7月9日記事参照)を対象にした、品目別適用除外(注1)の対象品目第4弾を発表した。これまでに3度発表していた(注2)。
今回は、(1)10桁のHTSコードで示された5品目(注3)と、(2)USTRが記載した製品詳細に適合する品目に限定される35品目(注4)が、適用除外品目として認められた。(1)には船外モーター、電動機により作動する自走式フォークリフト、ATM用プリント基板、減圧バルブ、溝付き滑車が含まれる。(2)の35品目の内訳は、84類に分類されるものが20品目、85類が12品目、90類が3品目で、水関連の機械部品や電気機器部品が多い。適用除外が認められた品目は、申請者以外が輸入する場合も追加関税が免除される。
今回もリスト1の追加関税賦課が開始された2018年7月6日まで遡及(そきゅう)適用され、それ以降に支払った関税は還付される。還付手続きの詳細については、米国税関国境保護局(CBP)が今後発表する(注5)。今回の適用除外は、発表日から1年後の2020年5月9日まで有効。
リスト1に関する品目別適用除外の申請は、全部で1万837件ある。今回の発表によって認可されたものは515件で、これまでと合わせて1,957件の申請が認可された。2,875件が引き続き審査中で、否認件数は6,005件となった(注6)。これにより、全体の73.5%の審査が終わったことになり、認可された割合は18.1%となった。今後の審査結果の発表は、USTRは第3弾の発表と同じく、「定期的(on a periodic basis)」に行うと述べるにとどめている。
なお、対中輸入額160億ドル相当の279品目で構成されるリスト2に関する品目的適用除外に関しては、2,920件の申請が出されている。5月10日時点で認可件数は0件だが、1,964件が審査中で、否認件数は956件となっている(注6)。また、対中輸入額2,000億ドル相当の5,745品目(一部品目は部分的に対象)で構成されるリスト3については、USTRが5月9日に追加関税率の25%への引き上げを発表した際に、適用除外制度を設置する意向が官報に記載された(2019年5月9日記事参照)。申請方法など詳細については、後日発表される予定だ。
(注1)リスト1の品目別適用除外制度の概要については2018年7月12日記事を、リスト2の制度概要については2018年9月19日記事を参照。
(注2)1度目の適用除外対象品目の発表は2018年12月28日(2019年1月4日記事参照)、2度目は3月25日(2019年3月28日記事参照)、3度目は4月18日(2019年4月18日記事参照)。
(注3)対象HTSコードは、8407.21.0040、8427.10.4000、8473.40.1000、8481.10.0090、8483.50.9040。
(注4)製品詳細の記述は官報の付属書(Annex)の2(6)~(40)を参照。同じ10桁のHTSコードに分類されていても、USTRが指定する製品の仕様が異なる場合は、分けて掲載されている。
(注5)第3弾の適用除外品目に対する還付手続きは、CBPのウェブサイトに掲載されている。
(注6)USTR作成の5月10日付の申請リストに基づく。申請リストはUSTRのウェブサイト参照。
(須貝智也)
(米国、中国)
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