トランプ政権、第2弾の対中追加関税賦課を8月23日から開始
(米国、中国)
ニューヨーク発
2018年08月08日
米通商代表部(USTR)は8月7日、1972年通商法301条(以後、301条)に基づく第2弾の対中関税賦課を8月23日に開始すると発表した。米国政府は第1弾として対中輸入額340億ドル相当の米国関税率表の上位8桁で818品目に対する25%の追加関税の賦課を7月6日から開始している(2018年7月9日記事参照)。第2弾の関税賦課は7月末に品目確定に向けたパブリックコメントを終了しており、USTRによる最終品目の確定を待つ段階になっていた。
USTRが発表した8月23日から25%の追加関税が賦課される最終品目リストは、対中輸入額160億ドル相当の279品目で構成されている。主要品目としては、プラスチックや半導体、鉄道車両・部品、トラクターなどが含まれている。一方、パブリックコメントに付されていた284品目のリストから、以下の5品目が取り除かれた。5品目の2017年の対中輸入シェアをみると、ひき割り機やコンテナは7割超となっている。
- アルギン酸ならびにその塩およびエステル(HTS:3913.10.00、対中シェア:29.4%)
- ひき割り機、薄切り機および削り機(HTS:8465.96.00、対中シェア:74.4%)
- コンテナ。液体輸送用のものを含むものとし、1つ以上の輸送方式による運送を行うために特に設計し、かつ、装備したものに限る(HTS:8609.00.00、対中シェア:71.9%)
- 浮きドック(HTS:8905.90.10、対中シェア:24.2%)
- ミクロトーム(HTS:9027.90.20、対中シェア:60.9%)
中国政府は、トランプ政権が第2弾の関税賦課を実施すれば、対米輸入額160億ドル相当の輸入に25%の報復関税を発動する姿勢を示している(2018年7月10日記事参照)。さらに、トランプ政権は中国の報復措置に対して、対中輸入額2,000億ドル相当の輸入に25%の追加関税(注1)を賦課する(2018年8月3日記事参照)としており、中国政府も米国へのさらなる報復措置として600億ドル相当の対米輸入への4段階の関税率による追加関税の賦課を発表(2018年8月7日記事参照)している。
なお、USTRは第1弾の関税賦課と同様に、第2弾についても製品別の適用除外申請の制度(注2)を設けると発表している。この制度の詳細は官報で後日、公表される。
(注1)トランプ大統領は、当初10%としていた追加関税率について、25%への引き上げを検討するよう8月1日にUSTRに指示した。
(注2)第1弾の関税賦課に関する製品別適用除外制度の詳細は2018年7月12日記事参照。
(鈴木敦)
(米国、中国)
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