INTERVIEW 日本を世界へ。世界を日本へ。
成長著しいアフリカ市場で
日本のプレゼンスをさらに高めたい。
久保 唯香
Kubo Yuika
ナイロビ事務所
2014年新卒入構
“常春”のナイロビで、視野と実績を広げる日々
ナイロビ事務所が管轄する東アフリカ地域8か国の人口は、総計約2億人。経済成長も目覚ましく、ケニアのGDP成長率は毎年5%を超える勢いです。この世界有数の新興市場に向けて世界中から企業進出が相次いでいますが、日本とアフリカの貿易投資関係はまだまだ発展途上。そんな中でも、この地域へ進出を目指す意欲的な日本企業がいます。私の仕事は、生の情報をスクリーニングし、現場の温度感をそのままに日本語で丁寧に伝えていくことです。
ビジネス短信、地域分析レポートなど、記事化される調査レポートだけでも毎年約30本。貿易投資相談の件数は年間約250件にのぼります。そのほか、商談会や展示会の運営、日本からの視察団のアレンジ、ケニアのスタートアップと日本企業のマッチングなど、業務内容は多岐にわたります。
世界各地に展開する日本企業のアフリカ進出を念頭に、日本以外の国でケニアの市場セミナーを開くこともあり、1年のうちにロンドン、パリ、ドバイ、イスタンブール、シンガポールに出張したこともありました。標高1700mに位置するナイロビの気温は、年間を通じて20℃前後。空調のいらない爽やかな常春の空気の中で、JETROが用意できるありとあらゆるチャネルを活用して日本と現地との橋渡しに挑み、汗を流す毎日です。
ルワンダや福井で重ねた経験が今に活きている
ナイロビ異動の内示を受けた時、「行きます!」と即答。「一度ご家族と相談してから…」と心配されたくらいです。アフリカ赴任を熱望したきっかけは大学時代、20歳の時に学生会議に参加して訪れたルワンダでの気づき。新興国にはビジネスチャンスが多い半面、外国語のビジネス情報が目立つなど、日本企業の参入を阻む強固な障壁の存在も知りました。以来、新興国でのビジネス支援に関わりたいという想いがふくらみ、JETROを志望。
入構3年目には、新興国ビジネスに直結しやすい製造業が盛んな地方に行きたいという希望が通り、福井貿易情報センターへ。2年あまりの間、自信作のテキスタイルをヨーロッパの有名メゾンに売り込みたい繊維メーカーや、北前船の時代から栄えた食文化を輸出用に加工して世界に展開しようとする食品企業など、福井から直接海外に打って出たいと考える企業の支援に 明け暮れました。同じころ、近い将来の海外赴任を視野に取得した通関士資格の知識も、今の仕事にとても役立っています。
2050年の巨大なアフリカ市場へ思いを馳せる
現場での仕事では、ユニークな経験を積むことができました。現地で開催される国際会議や、日本が主催するTICAD(アフリカ開発会議)に駐在員として関わることができたことも、素晴らしい体験でした。福井事務所でも、ナイロビ事務所でも、メンバー構成は上司と私、スタッフ数名だけの、少数精鋭です。現場で抱いた疑問はすぐに上司に伝えるようにしていますが、上司と再考を重ねることで、多くのアイディアを実現することができました。若さや性別は関係ない、現場では言い訳は要らないと思わせてくれた JETROはチャレンジングな組織だなと、思います。
ケニアをはじめ、東アフリカ地域への進出に関しては、多くの産業分野で欧米企業が先行しています。一方で、自動車をはじめ医療機器や農業機械、生産現場のFAラインなど、日本企業のプレゼンスが高い領域も決して少なくありません。参入障壁の高さもあって、まだまだアフリカ進出をためらう企業が多いのが実情ですが、本気でグローバル展開を進めたい企業であれば、今後アフリカ市場は絶対に外せないと思います。
発展目覚ましいアフリカの人口は2050年には今の倍に達し、巨大な市場が創出されると言われています。2050年まで、あと30年。この間の戦い方次第で、東アフリカはもちろん、アフリカ全土での日本のプレゼンスを大きく高めることは十分に可能です。そんな2050年に想いを馳せながら、今やるべきチャレンジを重ねていきたいと思っています。
MY FUTURE
ナイロビに来て2年あまり。自信はついてきましたが、まだまだ道半ばです。アフリカにおける他国のM&A事例やアフリカの貿易投資制度をよく学び、分析を重ねて、企業からの相談に全方位で対応できる専門性を磨きたいですね。
OFF TIME
マラソンや登山が好きで、アフリカ最高峰キリマンジャロとケニア山にも登頂。アーチェリーや乗馬も始めました。シマウマやキリンとの並走は爽快!
ONE DAY SCHEDULE
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07:30
自宅から車で出勤。
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08:00
業務開始。
メールチェック、日本企業とのWeb面談。 -
10:00
ケニア投資庁の担当者と電話打ち合わせ。
外部とのやり取りが多く、分刻みの忙しさ。 -
11:00
ケニアではお昼を食べない人も多いが、私はしっかり食べる。
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12:00
時差の関係で日本とのやり取りは午前中まで。
午後からはTO DO LISTに沿って動く。 -
13:00
この日はまず調査案件の対応から。
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15:00
書きかけの調査レポートの仕上げにかかる。
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16:00
明日のブリーフィングに備え、東アフリカの経済概況を整理する。
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16:45
定時終業。コロナ後は全員一斉に帰る。
残った仕事があれば持ち帰る。 -
20:00
夕食後、スワヒリ語の勉強。