米税関、ウイグル強制労働防止法の追加ガイダンスを発表

(米国、中国)

ニューヨーク発

2023年02月24日

米国税関・国境警備局(CBP)は223日、中国の新疆ウイグル自治区が関与する製品の輸入を原則禁止するウイグル強制労働防止法(UFLPA)に関する追加のガイダンスを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新たに発表したのはUFLPA執行に関わるよくある質問への回答と、輸入物品の適法性審査に関わる2つの資料の計3種類。

UFLPAに基づく輸入禁止措置は20226月に施行された。同法に基づいて輸入を差し止められた場合、輸入者はCBPの同法運用ガイダンスと米国政府の同法執行戦略に従って対応する必要がある(2022年8月5日付地域・分析レポート参照)。今回のガイダンスはこれら既存のガイダンスを補足する資料となる。

UFLPAに基づいて差し止められた輸入物品について、輸入者はCBPに輸入例外申請を行うほか、輸入が同法の対象か否かを判断する適法性審査を求めることも可能だ。適法性審査を求める場合、輸入者は輸入物品とその原材料が新疆ウイグル自治区で生産されておらず、かつ米国政府が特定した同自治区の事業体などがサプライチェーンに関与していないことを示す必要がある。

CBPは今回発表した適法性審査のためのベストプラクティスに関するガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、同審査を円滑化するために輸入者が提出すべき資料として、取引関係者や原材料に係る支払いと輸送に関する文書、製品と原材料の原産地に関する文書を例示した。また、輸入者が輸入前に行うべき対策のほか、輸入差し止め通知を受け取った際やCBPへの提出書類を準備する際に取るべき対応も列挙した。

法性審査のために提出すべき資料に関するガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、各資料の概要を説明する文書も含めるよう求めた。具体的には、文書の目次やサプライチェーンの各段階をつなぐ情報などを挙げた。UFLPAの執行に関するよくある質問と回答外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますをまとめたウェブサイトでも、適法性審査に必要な資料について同様に説明している。

UFLPAの執行を巡っては、施行後も産業界などからガイダンスの改善や運用の透明性向上を求める声が上がっていた(2022年7月14日記事参照)。CBPはよくある質問のページで、UFLPAに基づいて差し止められた輸入の件数や輸入額のデータを3月末までに公開する予定と明らかにしている。

(甲斐野裕之)

(米国、中国)

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