カナダ政府、中国・香港・マカオからの渡航者に新型コロナ検査義務、1月5日から30日間
(カナダ、中国、香港、マカオ)
米州課
2023年01月04日
カナダ政府は12月31日、中国、香港、マカオ特別行政区から空路でカナダに到着する渡航者に対し、新型コロナウイルス感染症検査の陰性証明の提出を求める措置を当面の間適用すると発表した。10月1日で新型コロナウイルスに関する全ての入国制限と入国者に対する検査、検疫、隔離要件を撤廃することを発表したが(2022年9月27日記事参照)、中国で感染者が急増し、これらの疫学的およびゲノム配列のデータが限られていることから、日本や米国(2023年1月4日記事参照)と同様に、カナダも対策強化に踏み切った。
政府発表によると、1月5日午前0時1分(東部時間)から30日間限定の一時的措置として、国籍や予防接種の状況を問わず、中国、香港、マカオ発のフライトで到着する2歳以上の全ての渡航者は感染検査の陰性結果の提示が求められ、出発前2日間以内に取得した検査結果を搭乗前に航空会社に提出しなければならない。 陰性の検査結果は、分子検査(PCR検査など)でも、オンライン診療または公認検査機関によって行われた抗原検査のいずれによるものでもよい。出発の10~90日前に陽性歴のある渡航者は、陰性証明書の代わりに、陽性証明書を航空会社に提示することもできる。
渡航者は、入国検査およびeゲート(eGate)への到着時、または、カナダ到着前の事前の税関申告(Advance CBSA Declaration)を行う際、過去10日間の中国、香港、マカオへの渡航歴を確認される。渡航歴がある場合、カナダ国境サービス局の職員が感染拡大防止策についての追加説明を行い、マスクなどの感染対策手段を提供し、症状が現れた場合の対処法に関する情報提供を行うことがあるという。なお、この措置の対象は、空路渡航者のみで、陸路で到着する旅行者には適用されない。
マスク着用に関しては、義務とはしていないものの、全ての渡航者に対し、飛行機や空港、その他の混雑した屋内環境下の移動中に、適切に着用することを強く推奨している。症状がある場合は旅行を控えるよう呼びかけているほか、移動中に感染してカナダに到着した時点でまだ症状がある場合には、到着時に客室乗務員または国境警備官に通知するよう求めている。
また、外国・地域への旅行を計画しているカナダ国民は追加接種を含め、カナダで推奨されているワクチン接種を旅行開始の少なくとも14日前までに済ませるべきとしているほか、目的地別の渡航勧告のページを事前に確認することも求めている。
2020年3月に発令した新型コロナウイルス感染症流行に関するレベル2(4段階中の緩やかな方から2番目:Practice enhanced health precautions)の注意勧告は、全ての国・地域に対して現在も有効だ。また、1月下旬からの旧正月(春節)を前に、カナダから中国への帰省の渡航が増えることが予想されることから、カナダ政府は12月23日付で、中国への渡航注意の勧告を掲載している。
(高山さわ)
(カナダ、中国、香港、マカオ)
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