カナダ、新型コロナ関連入国制限措置を10月1日付で解除
(カナダ)
トロント発
2022年09月27日
カナダ政府は9月26日、10月1日付で新型コロナウイルスに関する全ての入国制限および入国者に対する検査、検疫、隔離要件を撤廃することを発表した。政府は、6月末に措置を少なくとも9月30日まで延長することを発表していた(2022年6月30日記事参照)が、10月1日付で、全旅行者を対象に義務付けていた以下の措置について、国籍に関係なく解除する。
- ArriveCANアプリまたはウェブサイトを通じた公衆衛生情報の提出
- 新型コロナウイルス感染症予防接種証明書の提出
- カナダ到着前または到着後の新型コロナウイルス検査
- 新型コロナウイルスに関連する検疫または隔離
- カナダ到着後の新型コロナウイルス感染症の兆候や症状を発症した場合の経過観察と報告
- 航空機および鉄道での移動時の健康診断の受診
- 飛行機や列車でのマスク着用
カナダ政府は、こうした国境措置の解除を決めた理由として、(1)モデリングによると、オミクロン株「BA.4」や「BA.5」の流行の波のピークをほぼ過ぎていること、(2)カナダ国内での高いワクチン接種率や、入院率・死亡率が低下していること、(3)2価ワクチンを含む新型コロナウイルス感染症追加予防接種や迅速検査、治療薬が利用可能となっていること、などを挙げている。ただし、飛行機や列車でのマスク着用義務は解除するものの、旅行者に対して移動中のマスク着用を強く推奨している。
発表を受けて、ジャンイブ・デュクロ保健相は「予防接種を受けたカナダ人のおかげで、国境での衛生措置を安全に解除できる段階にまで到達した。しかし、新型コロナウイルスをはじめとする呼吸器系ウイルスは寒い時期に引き続き流行すると予測されるため、追加接種を含め、新型コロナワクチン接種を最新の状態に保ち、個々の公衆衛生措置を行使することを勧める」とコメントした。
なお政府発表では、旅行者がカナダに到着するまでの旅程中に新型コロナウイルス感染症を発病し、カナダ到着時点でも発病している場合には、到着時に客室乗務員や国境サービス庁職員に通知するよう促している。新型コロナウイルス感染症は検疫法での指定伝染病の1つであるため、検疫官が旅行者にさらなる医学的評価を行う必要があるかどうかを判断する場合があるという。
ArriveCANについては、検疫・予防接種情報の提出義務はなくなるものの、旅行者が希望すれば、ArriveCANのオプション機能である事前申告制度を引き続き利用し、到着前に税関・入国審査申告書を提出して主要空港での時間を短縮することが可能と説明している。
(飯田洋子)
(カナダ)
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