英国、7件目の新型コロナワクチンを承認、モデルナとはパートナーシップ締結
(英国、フランス、米国)
ロンドン発
2022年12月23日
英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は12月21日、フランスのサノフィが開発した新型コロナウイルス向けの組み換えタンパクワクチンを承認した。これにより18歳以上向けのブースター接種としての使用が認められることになった。
MHRAが承認した新型コロナワクチンは7件目。現在、英国で使用が認められている新型コロナウイルスワクチンは米国モデルナ、米国ファイザーとドイツ・ビオンテック、米国ノババックス、英国アストラゼネカ、ベルギー・ヤンセンファーマ、フランス・バルネバとなっている。
MHRAは12月6日、米国ファイザーとドイツ・ビオンテック製の2価ワクチン(2022年9月8日記事参照)の生後6カ月から4歳までの乳幼児への使用も承認した。
国営医療サービス(NHS)の12月8日付の発表によれば、英国のワクチン接種の状況は1回目接種が4,530万回、2回目接種が4,280万回、3回目以上の接種が5,510万回となっている。英国政府は9月から対象者(50歳以上、医療・社会福祉従事者、介護者など、2022年8月17日記事参照)に、ブースター接種を実施。12月12日時点でイングランドでは50歳以上の1,470万人以上が接種を完了している。
モデルナ、英国に製造・研究開発拠点を建設へ
英国政府は12月22日、米国モデルナとワクチン研究に関する10年間のパートナーシップ提携締結を発表した。これは6月に同社との間で原則合意していたもの(2022年6月23日記事参照)。
同社は、英国でのmRNAワクチンの研究開発に投資し、年間最大2億5,000万本のワクチンを製造可能なイノベーション・テクノロジーセンターを建設する。同社は今後10年間にわたり研究開発資金を投じるとしており、英国の大学へ補助金を提供することも約束している。
センターは2023年初頭に建設を開始し、2025年にmRNAワクチンの製造開始を見込む。新型コロナウイルス向けのほか、インフルエンザ、RSウイルス(RSV)向けのワクチン開発も行うことができるとしている。政府は、国内でワクチン開発を行うことで、緊急時に迅速に生産規模を拡大することができ、将来のパンデミックへの対応能力を高められるとした。
(島村英莉)
(英国、フランス、米国)
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