英政府、米モデルナとワクチン製造・研究開発拠点設立に原則合意
(英国、米国)
ロンドン発
2022年06月23日
英国政府は6月22日、米国モデルナとの間で、英国での製造、研究開発拠点設立に向けた戦略的パートナーシップに原則合意したと発表した。投資額は10億ポンド(約1,660億円、1ポンド=約166円)と報じられている。建設は早ければ2022年内に開始予定で、ワクチン製造は2025年に開始されることが見込まれている。
研究開発拠点では、複数の変異株向けの新型コロナワクチンを含む、呼吸器疾患用のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発を行うとしている。製造拠点では新型コロナワクチンのほか、インフルエンザワクチンなどを大規模に生産するという。製造拠点については、緊急時に迅速に生産を拡大できるようにするとしている。
各拠点の詳細については、最終的に合意するタイミングで発表する予定だ。英政府は合意について、両者の長期的な関係構築に向けた詳細な議論の開始を示唆するものとして期待を示した。また、mRNA技術はがんやインフルエンザ、心臓病などを含む多くの分野で革新的な技術になる可能性を秘めているとして、新たな研究開発拠点でそうした病気の治療法の開発を行うことで、その可能性を発揮することができるとした。政府はモデルナから6,000万回分の新型コロナワクチンを購入しており、今回のパートナーシップはこうした新型コロナ禍での関係に基づくものとしている。
英国の予防接種・免疫合同委員会(JCVI)は5月に追加のブースター接種に関する中間声明を発表。冬に備え、高齢者向け介護施設の居住者や職員、65歳以上、16歳から64歳の重症化リスクの高い層などへの接種を2022年秋に行うべきとの見方を示していた。
(山田恭之)
(英国、米国)
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