米英首脳会談、ロシアのウクライナ侵攻や中国を巡る課題で連携を約束
(米国、英国)
ニューヨーク発
2022年09月22日
米国のジョー・バイデン大統領は9月21日、訪米した英国のエリザベス・トラス首相と会談した。トラス首相は国連総会に出席するため、9月20日から米国を訪れている(2022年9月21日記事参照)。トラス首相の就任後、両首脳は9月6日に電話で会談しているが、今回が初めての対面での会談となった(2022年9月8日記事参照)。
ホワイトハウスが発表した声明によると、バイデン大統領は会談で、英国のエリザベス女王の死去に哀悼の意を表し、英国で行われた国葬に参加する機会を得たことに謝意を伝えた。両首脳は、ロシアによる侵攻を受けるウクライナへの支援や、中国を巡る課題への対応、持続的で手頃なエネルギーの確保を含む世界的な課題について、両国政府が緊密な連携を続けることを約束した。「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」に対する継続的な支援の重要性についても議論した。また、北アイルランド紛争の和平合意(ベルファスト合意)の成果を守ることへの共通のコミットメントを確認した。
声明では、通商分野の議題には触れられていないが、両国政府は3月に貿易・投資関係強化に向けた「大西洋貿易の未来に関する対話」の開始を発表し(2022年3月17日記事参照)、初会合を米国で開催した(2022年3月24日記事参照)。同対話は、トランプ前米国政権下で交渉が始められた米英自由貿易協定(FTA)とは別の枠組みとなる。トラス首相は訪米前に記者団に、「現在、米国とは(FTA)交渉は行われていない。短期、中期的に交渉が始まるとの期待は持っていない」と明らかにしている(米政治専門紙「ポリティコ」9月20日)。
(甲斐野裕之)
(米国、英国)
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