ジョンソン英首相が辞任を発表、次期党首選に関心集まる
(英国)
ロンドン発
2022年07月08日
英国のボリス・ジョンソン首相は7月7日、辞任を発表した。首相官邸で行った演説では、保守党内で新たな党首、新たな首相が必要との意向が示されたとして、新党首の選任手続きを開始するとした。具体的な日程については来週発表するとしており、同氏は新たな党首が決まるまで首相にとどまる意向を示している。ジョンソン首相は演説の中で、暫定内閣を7月7日付で組閣するとした(添付資料表参照)。
ジョンソン首相に対しては、これまで度重なる不祥事をめぐり批判が集まっており、6月の不信任案は否決された(2022年6月7日記事参照)ものの、その後2選挙区で行われた補欠選挙で保守党は敗北し党幹事長が辞任する事態となっていた(2022年6月27日記事参照)。また、7月5日には、前院内副幹事に関する不祥事をめぐり、2人の主要閣僚が辞任、ジョンソン首相も退陣を迫られていた(2022年7月7日記事参照)。6日の時点ではジョンソン首相は辞任を否定していたが、6日夜から7日の朝にかけて閣僚・高官が相次いで辞任を表明。7月5日に教育相に任命されたミシェル・ドネラン氏も7日に辞任するなど、混乱が生じており、ジョンソン首相は辞任に追い込まれた。
なお、新たな党首が決定するまで、ジョンソン首相が首相にとどまることには党内からも批判の声が上がっており、新党首決定の手続きを早める措置を検討していると報じられている。
ジョンソン首相の辞意表明に伴い、次期党首候補に注目が集まっている。調査会社ユーガブが7月7日午前に発表した保守党党員への聞き取り調査では、ベン・ウォーラス国防相が13%でトップ、次いでペニー・モーダント前国防相が12%、リシ・スーナック前財務相が10%で続いた。ウォーラス国防相は、ロシアによるウクライナ侵攻やアフガニスタンからの退避などへの対応が評価され、支持が高まったとされている。そのほか、エリザベス・トラス外務・英連邦・開発相なども候補と目されている。
(山田恭之)
(英国)
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