英保守党、ジョンソン首相の不信任投票を否決
(英国)
ロンドン発
2022年06月07日
新型コロナウイルス禍でのロックダウン規制違反に対する批判が続く英国の与党・保守党では6月6日、ボリス・ジョンソン首相に対する不信任投票が行われた。結果は信任が211票、不信任が148票で、ジョンソン首相の続投が確定した。党規則により、少なくとも向こう1年間はジョンソン首相に対する不信任投票は行われないとされている。不信任投票は2018年12月にも、EU離脱をめぐりメイ前首相に対して行われていた。前回は信任が200票、不信任が117票となっており(2018年12月13日記事参照)、今回の信任の割合は前回を下回る結果となった。
各紙報道によれば、今回の投票は、不信任投票を要求する同党所属下院議員が15%に当たる54人に達したことで実現した。ジョンソン首相は投票に先立ち、書簡や演説を通じ保守党議員に対して支持を呼びかけた。投票に先立っては、エリザベス・トラス外務・英連邦・開発相やリシ・スーナック財務相ら主要閣僚が信任を表明した一方、不信任が支持された場合の次期党首有力候補と目されたジェレミー・ハント前外相は不信任を表明していた。
投票結果を受けて、ジョンソン首相はスカイニュース(6月6日)の取材に対し「国民にとって重要な問題に注力できる」と歓迎。また、解散総選挙についても関心がないとした。一方で、野党・労働党のキア・スターマー党首は、党内で分裂がみられる保守党と、一致団結した労働党という2つの選択肢がより鮮明になったとコメントした。
6月下旬の補選でも保守党が苦戦の予想
調査会社ユーガブは6月6日、投票に先立ち保守党員506人に対する調査の結果を発表した。53%がジョンソン首相の続投を支持した一方、42%が続投に反対する結果となった。さらに不信任投票で、僅差でジョンソン首相が勝利した場合に続投すべき、と回答した割合も58%にとどまった。
6月23日には、ウェイクフィールド、ティバートン・アンド・ホニトンの2選挙区で補欠選挙が予定されている。報道によると、ウェイクフィールドは伝統的に労働党が有力な地域だったが、2019年の総選挙では保守党が勝利、一方のティバートン・アンド・ホニトンについては従来、保守党が有力な地域となっている。しかし、事前調査では両選挙区で保守党の苦戦が予想されている。
(山田恭之)
(英国)
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