米シェブロン、カミンズ、ウォルマート、再生可能天然ガスエンジン実証で提携
(米国)
ヒューストン発
2022年06月09日
米国石油大手シェブロンの子会社シェブロンU.S.A.(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)は6月8日、米国エンジンメーカーのカミンズ(本社:インディアナ州コロンバス)と米国小売り大手ウォルマート(本社:アーカンソー州ベントンビル)と、再生可能天然ガス(RNG:Renewable Natural Gas)エンジンの実証に取り組むと発表した。
実証で、ウォルマートは大型トラックを提供し、カミンズは再生可能天然ガスを利用した圧縮天然ガス(CNG:Compressed Natural Gas)を動力源とする新型天然ガスエンジンをトラックに搭載する。シェブロンは再生可能天然ガスを利用した圧縮天然ガスをトラックに供給する。ウォルマートはカリフォルニア州フォンタナの同社配送センターでトラックの実証と評価を行うとしている。
RNGは、牛ふんなど農場から出る有機性廃棄物や、埋め立て地などから発生するバイオメタンを回収・処理して製造される。バイオメタンは、二酸化炭素(CO2)の25倍以上の温室効果があるとされているが、再生可能天然ガスとして利用することで、温室効果ガス(GHG)排出量を減らすことにつながると期待されている。
これに先立って、シェブロンU.S.A.とカミンズは2021年7月15日に、水素関連ビジネスの促進を目的とする戦略的提携の覚書を締結したことを発表(2021年7月19日記事参照)し、同年9月にはRNGの利用に関連する新たな項目を盛り込むため、両社は同覚書を再び締結している。
ウォルマートのサプライチェーン・サステナビリティー担当バイスプレジデントのルーク・マッコラム氏は「当社が掲げる2040年までのゼロエミッションを達成するという目標の実現に向けて、ほかにも数多くの実証を進めている」とした上で、「RNGを利用したCNGを用いる今回実証は、ウォルマートのゼロエミッション輸送への道のりの重要な足がかりとなる」と述べている。
なお、シェブロンU.S.A.は2022年3月28日に米国リストア・ジ・アース財団とルイジアナ州セント・チャールズ郡での森林再生プロジェクト合意を発表(2022年4月4日記事参照)しているほか、5月18日にはカリフォルニア州サンウォーキンバレーでのCO2回収・貯留(CCS)プロジェクトの立ち上げを発表(2022年5月19日記事参照)している。さらに、5月24日にはタロス・エナジー、カーボンバートとテキサス州東部ジェファーソン郡沖合のバイユーベンドCCS事業の契約締結を発表(2022年5月27日記事参照)している。
(沖本憲司)
(米国)
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