米石油大手シェブロン、カミンズと水素関連事業で提携

(米国)

ヒューストン発

2021年07月19日

米国石油大手シェブロンの子会社シェブロンU.S.A.(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)と米国エンジンメーカーのカミンズ(本社:インディアナ州コロンバス)は7月15日、水素関連ビジネスの促進を目的とする戦略的提携のための覚書を締結したことを発表した。

今回の提携は、(1)輸送部門および産業部門での脱炭素化に向けて水素利用を促進する公共政策での協力、(2)商用車および産業用途に水素動力源を活用するための水素需要の創出、(3)燃料電池自動車および産業用途で水素利用を支援するための水素供給設備の構築、(4)シェブロンの米国内の複数の製油所でカミンズの水電解装置(注)および燃料電池技術を活用する機会の模索、の4つの分野を主な優先事項としている。

シェブロンの米州燃料・潤滑油部門のアンディー・ウォルツ社長は「水素に関する戦略的提携に向けて取り組むことにより、現在の製品を補完する低炭素分野での大規模なビジネスを構築する重要な機会となる」「この機会を活用することにより、われわれの顧客がビジネスや日常生活での炭素使用量を削減することが可能となる」と述べている。

カミンズのエイミー・デービス副社長兼新動力担当社長は「シェブロンとの連携により、水素技術を促進するなど、カーボンニュートラルを実現するという目標に向けて前進する手助けとなる」「当社は世界で2,000以上の燃料電池および600の水電解装置を供給しており、水素燃料の内燃機関を含む他の水素の代替品を模索している」と述べている。

シェブロンU.S.A.は、2021年4月21日にトヨタ・モーター・ノース・アメリカ(本社:テキサス州プレイノ)と水素関連ビジネスの促進を目的とする戦略的提携のための覚書を締結し、(1)水素インフラ設置を支援する公共政策での協力、(2)小型・大型燃料電池自動車の現在および将来の需要と必要となる水素供給機会の把握、(3)水素を動力源とする輸送および水素の貯蔵の共同研究開発機会の模索、の3つの分野を主な優先事項として取り組んでいる(2021年4月27日記事参照)。

(注)固体高分子電解質(Polymer Electrolyte Membrane:PEM)を用いて水を電気分解することにより、カーボンフリーの水素を製造する装置

(沖本憲司)

(米国)

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