米シェブロン、バイオ燃料大手リニューアブル・エナジーの買収完了を発表
(米国)
ヒューストン発
2022年06月15日
米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)は6月13日、米国バイオ燃料大手リニューアブル・エナジー(本社:アイオワ州エイムズ、以下REG)の株主承認が完了し、REGの買収を完了したと発表した。併せて、REGのシンシア・ワーナー前社長兼最高経営責任者(CEO)が、同日付でシェブロンの取締役に就任したことが発表された。
シェブロンは2022年2月28日付で、REGを31億5,000万ドルで買収することで最終合意していた。今回の買収により、2030年までにバイオ燃料の生産能力を日量10万バレルに拡大するというシェブロンの目標達成の加速が期待される。
REGは、米国と欧州で11のバイオ・リファイナリー(精製所)を運営している。REGは2020年に170万トンのバイオ燃料を生産し、420万トンの二酸化炭素(CO2)削減を実現したとしている。
シェブロンのマイク・ワース会長兼CEOは、2022年2月の買収合意の際に「REGは再生可能燃料産業の創始者で、リーディング・イノベーターであり続けている」「両社が力を合わせれば、どちらか一方が単独よりも、より迅速かつ効率的に成長することができる」と述べている。
バイオ燃料は、燃焼時にCO2を排出するものの、原料となる植物はCO2を吸収してバイオマスを再生産するため、直接燃焼におけるCO2排出量は実質ゼロ(カーボンニュートラル)とみなされる。全世界的に脱炭素の取り組みが進む中、化石燃料を代替する燃料として利用拡大が期待される。
シェブロンは、グループ全体で脱炭素事業を加速化させている。子会社シェブロンU.S.A.は2022年3月28日に、米国リストア・ジ・アース財団と、ルイジアナ州セント・チャールズ郡の土地で森林再生プロジェクトに合意したと発表した(2022年4月4日記事参照)。また、2022年5月18日には、カリフォルニア州サンウォーキンバレーにおいてCO2回収・貯留(CCS)プロジェクトの立ち上げを発表した(2022年5月19日記事参照)。さらに、2022年5月24日には、タロス・エナジー、カーボンバートと、テキサス州バイユーベンドCCS事業についての正式契約締結を発表した(2022年5月27日記事参照)ほか、6月8日には、カミンズ、ウォルマートと、再生可能天然ガスエンジンの実証に取り組むと発表した(2022年6月9日記事参照)。
(沖本憲司)
(米国)
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