上海の封鎖管理、解除のめど立たず、日系企業にも大きな影響
(中国)
上海発
2022年04月07日
中国・上海市政府は3月28日から、黄浦江を挟んで市内を東部(浦東、浦南地区および周辺地域)と西部(浦西地区)に分け、2段階で封鎖の上、PCR検査を実施している(2022年3月29日記事、2022年4月1日記事参照)。上海市政府は3月31日夜、東部については、封鎖期間終了の4月1日午前5時から、感染者の発生状況などにより「封控区」「管控区」「防范区」(注)の3つに分けて管理を行うと発表した。しかし、「封控区」「管控区」となっている地域が多く、実質的な封鎖状態が続いている。西部については、封鎖期間終了の4月5日午前3時には封鎖管理が終了せず、東部のような管理方法も発表されていない。
上海市政府は4月4日から、市内全域でPCR検査を実施した。統計データをみると、市内の新規感染者数は依然として高い状態にある。4月5日午前0時から6日午前0時までに検査結果が陽性となった感染者は1万7,000万人余りで、情勢は依然として厳しく複雑だ。4月4日のPCR検査結果に基づき、専門家の総合的な研究と判断を経て、4月6日に市内全域でPCRまたは抗原検査を再開すると発表した。
製造拠点を持つ日系企業からは「従業員のほぼ全員が引き続き封鎖管理の対象となっており、出勤できないため、工場も稼働停止状態。再開時期も見通せず、他地域での代替生産も検討する必要がある」との声があがっている。物流の状況については「航空輸出はトラックドライバーの確保困難と輸出倉庫の封鎖継続でフライトのキャンセルも増加している。輸入もトラックドライバーの確保困難などにより到着貨物の積み出しができないことから、貨物スペース不足が深刻になっている」などと、封鎖管理が継続していることにより、生産と物流に引き続き大きな影響が出ている。
(注)「封控区」「管控区」「防范区」は次のとおり。
- 「封控区」:封鎖管理期間に小区(マンション群、団地単位)レベルで感染者が報告された地区。住民は7日間の封鎖管理に加え7日間の社区健康管理となる。なお感染者のいる棟は14日間の封鎖管理。
- 「管控区」:「封控区」となった小区を有する街道や鎮(区の下の行政レベル)。7日間の社区健康管理。
- 「防范区」:東部における「封控区」「管控区」以外の地区。7日間の自主健康管理。黄浦江を越えてはいけない。
(高橋大輔)
(中国)
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