上海の封鎖管理、生産に加え物流面にも影響

(中国)

上海発

2022年04月01日

中国・上海市では、引き続き新型コロナウイルス感染者数が増加傾向をたどっている。3月1日から31日までに、上海市内で1,545人の確定症例と、3万5,096人の無症状感染者が確認された。

こうした状況を踏まえ、上海市政府は3月28日から、黄浦江を挟んで市内を東部(浦東、浦南地区および周辺地域)と西部(浦西地区)に分け、2段階で封鎖の上、PCR検査を実施している(2022年3月29日記事参照)。

第1段階は、3月28日午前5時から4月1日午前5時まで東部を封鎖。東部に生産拠点を持つ電気自動車のテスラ、アップルのノートパソコンのサプライヤーである上海向隆電子科技などは3月28日から生産を停止した(「テンセント網」3月28日)。東部に製造拠点を持つ日系企業からは、「対象となる期間は工場の稼働を停止する」「浦東空港から航空便で送る貨物が、航空貨物便キャンセルにより送れず、倉庫でそのままの状態となっている」など、生産停止に加え、物流への影響を懸念する声が上がっている。

上海市の李強書記は3月30日夜に行われた幹部会議において、今回の一斉PCR検査を断固として実施し、真にリスクのある部分を特定しコントロールすることにより、新型コロナゼロをできる限り早く実現するため、封鎖期間中は「住民は移動せず、家を出ない」、当該措置を「1世帯も1人も漏らさずに実施する」と述べ、厳格な実施とゼロコロナを目指す姿勢を強調した。

第2段階は4月1日午前3時から4月5日午前3時まで西部が封鎖される。西部に製造拠点を持つ日系企業も生産体制を調整するとみられるが、顧客からの注文状況によって生産体制を検討するという企業もある。物流面では、上海市の東部と西部の行き来が、西部が開放される4月5日までできないことを懸念する声も出ている。

(高橋大輔)

(中国)

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