VWとボッシュ、自動運転用ソフトウエアと蓄電池製造で協力
(ドイツ)
ミュンヘン発
2022年02月03日
ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループと自動車部品大手ボッシュの協力が相次いで発表された。
VWの100%子会社のソフトウエア開発子会社カリアド(CARIAD、2021年12月14日記事参照)とボッシュは1月25日、自動運転向けソフトウエアの開発で包括的パートナーシップ契約を締結したと発表した(ボッシュのプレスリリース)。両社はVWグループブランドの乗用車用に自動運転レベル2(注)とレベル3の自動運転を実現するソフトウエアなどを共同で開発する。両社から1,000人以上のソフトウエア開発の専門家を集め、2023年にレベル2の自動運転システムを車両に搭載することを目指す。両社はレベル4(注)の自動運転に向けた共同開発の目標と計画を検討することでも合意した。
VWグループは2030年の自動車ソフトウエア関連市場が1兆2,000億ユーロまで拡大するとみる。カリアドは2020年にVWグループが設立した「Car.Software」が土台で、2021年3月、カリアドに改組した。4,500人以上が研究開発に従事する。VWグループは、現在は同社の自動車ソフトウエアの1割が自社開発なのを2025年までに6割にするとしている。
蓄電池セル製造設備関連の合弁設立も検討
VWグループとボッシュは1月18日、蓄電池セル関連の合弁会社の設立を検討する覚書も締結した(VWグループのプレスリリース)。合弁会社は蓄電池セル工場向けの製造設備の納入や、蓄電池セルとシステムのメーカー向けに工場を立ち上げ、メンテナンスサービスなどを提供する。両社は2022年末の合弁会社設立に向け検討を進める。
ボッシュは工場自動化やシステム統合でノウハウを有する一方、VWグループは蓄電池生産を目指す自動車メーカーで、互いに補完できるとしている。ボッシュは2021年8月、蓄電池製造装置で2025年までに年2億5,000万ユーロの売り上げ目指すことを発表している(2021年8月20日記事参照)。
両社発表によると、欧州では2030年までに各社合計で年産約700ギガワット時(GWh)の蓄電池セル工場が計画されているという。VWグループ自身も2021年3月、欧州で6つの蓄電池工場を2030年までに稼働させると発表しており(2021年6月16日記事参照)、合計の生産能力は年産240GWhとなる見込みだ。
(注)自動車技術者協会(SAE)が定義する自動運転のレベル。レベル2で「ハンズフリー」状態の走行が可能。レベル3では、限定された領域内でシステムが原則全ての運転タスクを実施するが、作動継続が困難となる場合、運転者が適切な対応をする必要がある。レベル4では、限定された領域内で加速と操舵(そうだ)、制動を全てシステムが行い、ドライバーが全く関与しない状態の走行が可能。
(クラウディア・フェンデル、高塚一)
(ドイツ)
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