ボッシュ、車載ソフトウエア開発を子会社に集約
(ドイツ)
ミュンヘン発
2021年12月14日
ドイツの自動車部品・電動工具メーカーのボッシュは12月7日、車載ソフトウエアとクラウドの開発を子会社のイータス(ETAS)に集約すると発表した(同社プレスリリース)。
ボッシュは2022年半ばまでにイータスにグループの関連人員800人を集約する。これによりイータスでは合計2,300人で、(1)基本ソフトウエア、(2)ミドルウエア、(3)クラウドサービス、(4)開発用ツールの販売と開発を行っていく。2021年2月に発表したボッシュとマイクロソフトの自動車用クラウドのためのソフトウエアプラットフォーム開発(同社プレスリリース)もイータスが引き継ぐ。イータスは1994年に設立されたボッシュの完全子会社。2020年の売上高は2億9,300万ユーロで、国外にも12カ国に拠点を有し、日本では横浜市に拠点がある。
ボッシュ役員で、2022年1月の取締役会会長就任が内定しているシュテファン・ハルトゥング氏は今回の発表に際して、「新しい組織構成により、車載ソフトウエアの主導的サプライヤーを目指す」とコメントしている。車載ソフトウエア市場は今後数年間で数十億ユーロ規模になるとされ、ボッシュは2030年までに毎年2桁の成長を見込んでいる。
ドイツ自動車大手もソフトウエア開発に注力している。例えば、フォルクスワーゲン(VW)グループは2020年、グループのソフトウエア開発を集約した子会社カリアド(CARIAD)を設立し、現在4,500人以上が研究開発に従事している。同社にソフトウエア開発機能を集約した目的は、VWグループ全体の車種に搭載する統一的なソフトウエア技術プラットフォームの開発のためで、2024年末にはアウディの車両に、2026年にはVWの量産車に搭載される予定。12月8日付のドイツ経済紙「ハンデルスブラット」によると、ZFフリードリヒスハーフェンやコンチネンタルなどの自動車部品大手も車載ソフトウエア分野に注力しており、各社でソフトウエア強化の動きが続いている。
(クラウディア・フェンデル、高塚一)
(ドイツ)
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