ボッシュ、2025年までに蓄電池製造装置で年2億5,000万ユーロの売り上げ目指す
(ドイツ)
ミュンヘン発
2021年08月20日
ドイツの自動車部品・電動工具メーカーのボッシュは8月12日、蓄電池製造装置関連で2025年までに年間約2億5,000万ユーロを売り上げる目標を発表した。
ボッシュは、蓄電池製造装置用の個別部品やソフトウエア、製造・組み立て装置全体などをニーズに応じて全て自社で提供できるとしている。同社はパイロットプロジェクトとして、ドイツ南部バイエルン州に本社を有するベバスト(Webasto)の蓄電池工場に生産設備を提供する。具体的には、ミュンヘンの北方約100キロにあるシールリンク工場に、蓄電池セルの溶接と接着のための自動組み立てラインを納める。ベバストの主業は自動車用ルーフシステムで、売上高の8割以上を占める。同社は中期的には電気自動車用蓄電システムの事業などを拡大したい意向だ。
ボッシュは蓄電池製造装置のノウハウを自社工場にも生かすとしている。同社はドイツ東部チューリンゲン州アイゼナハ工場でマイルドハイブリッド車向け第2世代48ボルト蓄電池の大量生産を開始するため、2021年はこれに総額7,000万ユーロを投資する。また、ハンガリーのブダペスト北東にあるミシュコルツ工場で、2015年から電動アシスト自転車用蓄電池を生産している。なお、ボッシュは2018年2月、蓄電池セル自体は自社生産せずに他社から調達、自社は蓄電システムなどに注力することを明確にしている。
蓄電池市場は今後拡大が見込まれる。ドイツの経済・エネルギー省によると、世界のリチウムイオン電池市場は2030年までに2,000ギガワット時(GWh)以上に拡大する。ドイツ機械工業連盟(VDMA)によると、2019年のリチウムイオン電池市場約200GWhのうち、電動車(乗用車・商用車など)向けは63%を占めた。ボッシュの取締役会メンバーのロルフ・ナヨルク氏は、世界の蓄電池市場は毎年最大25%拡大していくと予測している。
(クラウディア・フェンデル、高塚一)
(ドイツ)
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