米ニューヨーク州、洋上風力発電インフラに5億ドルの投資計画発表

(米国)

ニューヨーク発

2022年01月17日

米国ニューヨーク(NY)州のキャシー・ホークル知事は1月5日、州議会での施政方針演説で、2022年に洋上風力発電のインフラ整備に5億ドルを投資するとの計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。NY州は2019年7月18日署名の「気候リーダーシップと地域社会の保護に関する法律」により、2030年までに電力需要の70%を再生エネルギー電源から供給し、温室効果ガスを40%削減するという目標を掲げており、今回の計画でこの目標達成を後押しする。

計画の詳細はまだ明らかにされていないが、洋上風力産業の発展に必要となる港湾、製造、サプライチェーンインフラに最大5億ドル、民間資本も入れれば2022年に20億ドル以上の投資を行うとしている。NY州では現在5つの洋上風力発電計画が進行中で、これらの総発電容量は4,300メガワット(MW)とされ、NY州が掲げる2035年までの再エネ発電容量目標9,000MWの約半分に当たる。今回の投資はこうした計画をインフラ面で強化する。また、今回の発表によると、2022年に新規プロジェクトを通じて調達する洋上風力発電は2ギガワット(GW=1,000MW)と予想され、今後これに関連した新規入札を開始することも併せて示した。

連邦政府も2030年までに30GWの洋上風力発電設備を設置する目標を掲げているが(2021年3月31日記事参照)、内務省は1月12日、ニューヨーク、ニュージャージー両州の公有地沖合での洋上風力発電計画に関する入札を来月実施することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同水域のリース権6件の入札は2月23日に実施する予定で、総発電容量は最大7GW、200万世帯の電力需要を賄い、内務省が扱う洋上風力発電計画として過去最大規模、かつ、ジョー・バイデン政権下では初の洋上風力発電リース権入札となる。内務省は2025年までに最大7カ所で洋上風力発電所を開発する計画があることを既に明らかにしているほか(2021年10月25日記事参照)、州政府レベルでも、メリーランド州やマサチューセッツ州が大規模な洋上風力発電計画を最近決定しており(2021年12月27日記事参照)、2030年までの30GW達成目標に向けて米国全体の動きが活発になっている。

(宮野慶太)

(米国)

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