米内務省、2025年までに最大7カ所での洋上風力発電開発計画を発表
(米国)
ニューヨーク発
2021年10月25日
米国内務省は10月13日、2025年までに国内最大7カ所で洋上風力発電所を開発し、同発電所のリース使用権の販売を進める計画があることを発表した。バイデン政権は3月に2030年までに洋上風力発電を30ギガワット(GW)に拡大し、7,800万トンの二酸化炭素(CO2)削減を目指すと発表しており(2021年3月31日記事参照)、カリフォルニア州沿岸沖やメキシコ湾で既に洋上風力発電開発に向けて動いているが(2021年6月3日記事、6月11日記事参照)、今回さらに具体的な地域と工程を公表した。
洋上風力発電所の予定地はメイン湾、ニューヨーク湾、中央大西洋沖、メキシコ湾、カロライナ沖合、カリフォルニア沖合、オレゴン沖合の7カ所。具体的なエリア選定を既に終えているニューヨーク湾やカロライナ沖合では、それぞれ2022年第1四半期(1~3月)、2022年5月ごろに開発を完了するとしており、カリフォルニア沖合は同年9月ごろ、メキシコ湾も同年末ごろの開発完了を目指すとしている。そのほか、中央大西洋沖では2023年第2四半期(4~6月)、オレゴン沖合では同年第3四半期(7~9月)、最も遅いメイン湾では2024年半ばごろの開発完了を目指すという。7カ所いずれの地域でも開発予定期間の終わりごろから、発電所のリース使用権の販売を始めるとしている。これらの開発は30GWの発電容量目標達成に寄与することに加え、約8万人の雇用を創出するとしている。
現在、米国で稼働している洋上風力発電は、ロードアイランド州沖にある30メガワット(MW、0.03GW)の設備とバージニア州沖にある試験プロジェクトの2カ所にとどまっている。今回の一連のプロジェクトが予定どおりに実施されれば、洋上風力30GWの発電目標に向けて大きな前進となるが、洋上風力発電所の建設は近隣の生態系や漁業への悪影響も懸念されており、デブ・ハーランド内務長官は「海洋利用者や影響を受ける可能性のある地域のニーズと調整しながら、クリーンエネルギーの目標を達成していく」と述べている。また、エネルギー省は1,350万ドルを拠出して、洋上風力発電開発が環境に与える影響を精査するとしており、調査結果が今後の開発に与える影響にも留意が必要だ。
(宮野慶太)
(米国)
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