米石油大手シェブロン、2028年までに100億ドル超を低炭素投資へ
(米国)
ヒューストン発
2021年09月16日
米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)は9月14日、低炭素エネルギー事業の成功に向けて投資を加速する計画を発表した。
シェブロンは新エネルギービジネスのための2030年成長目標を以下のとおり設定している。
- 大型輸送の顧客向けに、再生可能な天然ガスの生産を日量4万MMBtu(100万英熱量単位)に増加
- 再生可能ディーゼルと持続可能航空燃料に対する顧客の需要の高まりに対応するため、再生可能燃料生産能力を日量10万バレルに増加
- 産業、電力、大型輸送の顧客向けに、水素生産を年間15万トンに増加
- 他社と連携して地域のハブを開発することにより、二酸化炭素(CO2)の回収・オフセット量を年間2,500万トンに増加
この規模を達成するために、シェブロンは2028年までに100億ドル以上を投資する計画で、これにはシェブロンの事業の炭素強度(注)を下げるための20億ドルが含まれている。シェブロンが以前に投資するとしていた30億ドルの規模と比較すると、今回の投資額は3倍以上となる。
シェブロンは今後5年間で、配当と設備投資を上回る250億ドルのキャッシュフローを生み出すことを期待している。同社はまた、2028年の上流部門の生産に関する温室効果ガス強度目標を再確認し、2016年レベルで35%の温室効果ガスの削減を見込むとしている。
シェブロンは低炭素エネルギー事業の成功に向けて、これまでにも、シェブロンの子会社シェブロンU.S.A.が9月13日に、米エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(本社:テキサス州ヒューストン)と、米内陸部とメキシコ湾岸でのCO2回収・利用・貯留(CCUS)関連ビジネス機会創出で提携したことを発表した(2021年9月16日記事参照)ほか、7月15日に米エンジンメーカーのカミンズ(本社:インディアナ州コロンバス)と(2021年7月19日記事参照)、4月21日にはトヨタ・モーター・ノース・アメリカ(本社:テキサス州プレイノ)と(2021年4月27日記事参照)、それぞれ水素関連ビジネスの促進を目的とする戦略的提携の覚書を結んだことを発表している。
(注)エネルギー単位当たりのCO2排出量、すなわちCO2排出原単位を示す。炭素集約度とも呼ばれている。
(沖本憲司)
(米国)
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