米議会上院、新型コロナウイルス対策の追加法案を可決、中小企業向け融資の予算を拡充
(米国)
ニューヨーク発
2020年04月22日
米議会上院は4月21日、新型コロナウイルス対策となる追加法案を新たに可決した。同法案には、財源が枯渇した中小企業支援策の追加予算のほか、病院への支援や検査体制の強化のための予算が盛り込まれている。法案は下院に送付後、早ければ4月23日に可決され、同日中にもトランプ大統領の署名を経て成立する見通し。
法案の協議を主導した共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務(ケンタッキー州)の声明によると、今回の法案による予算措置は合計4,800億ドルを超える見込み。中小企業向け支援として、給与保護プログラム(PPP)に3,200億ドル超、経済的損害災害融資(EIDL)に600億ドルを超える予算がそれぞれ追加される(注1)。これら融資制度については4月16日に財源が枯渇したことから、米政権と議会共和党が予算の補填を求めていたが、民主党が病院や州・自治体への予算措置の必要性を訴え、議論が膠着(こうちゃく)していた(2020年4月17日記事参照)。その後、与野党協議の結果、病院や医療機関への資金支援に750億ドル、ウイルス検査の強化に250億ドルが充当された。
法案の上院通過を受けて、上院中小企業委員会の少数党筆頭委員であるベン・カーディン議員(民主党、メリーランド州)は超党派の合意を歓迎するとともに、「EIDLに500億ドルが補填されることで、中小企業庁は3,500億ドルを超える直接の災害融資が低金利かつ長期の形で可能となる。また、100億ドルが別途追加補填され、EIDLの給付金として中小企業1社あたり最大1万ドル相当が支給される」とコメントしている。
法案は今後、下院での審議が4月23日に行われる予定で、圧倒的多数で可決される見通し。
(注1)PPPやEIDLの具体的な制度概要や申請方法については、ジェトロウェブサイト「北米における新型コロナウイルス対応状況」の「連邦政府支援制度・行政命令一覧(0B)」を参照。
(注2)これまでの新型コロナウイルス対策法については以下を参照。
- 第1弾(2020年3月10日記事参照)
- 第2弾(2020年3月24日記事参照)
- 第3弾(2020年3月30日記事参照)
(藪恭兵)
(米国)
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