英EU間の将来関係交渉が始まる

(英国、EU)

ロンドン発

2020年03月03日

英国とEUは3月2日、双方の将来関係に関する交渉をブリュッセルで開始した。移行期間終了後の2021年1月1日からの新たな関係を協議する。今回の交渉ラウンドは5日まで行われる。

双方は前週までに、それぞれの交渉方針を固めており(2020年2月26日記事2月28日記事参照)、これらの方針に基づき、協議を進める。英国側の首席交渉官は、首相官邸で欧州タスクフォースの代表を務める、デビッド・フロスト欧州担当首相補佐官が、EU側の首席交渉官は、英国のEU離脱(ブレグジット)交渉に続き、ミシェル・バルニエ英国関係タスクフォース(UKTF)代表が務める。両氏は同日それぞれのツイートで、建設的な精神で交渉に臨む考えを強調した。しかし、EU規制への調和をめぐる双方の溝は大きく、楽観はできない。

5月中旬までに5ラウンドの交渉日程が合意されており、ラウンドごとに3日程度、ブリュッセルとロンドンで交互に交渉を行う(表1参照)。その後、6月にも首脳レベルでの合意を目指す。

表1 英EU将来関係交渉の当面の日程

交渉の中身は、扱う主題に基づき11の分科会(表2参照)を設置し、並行して協議する。英国政府によると、これらの分科会は交渉の実務的必要性を踏まえて整理されている。ただ、EU側が含めるべきとしていた「外交政策、安全保障、防衛における協力」は、英国政府の提案により分科会から外れており、将来関係の交渉範囲からは切り離されたもよう。防衛などは英国が交渉力を持つ分野とされており、同分野が今後、将来関係の交渉に絡んでくるのか、注目される。

表2 英EU将来関係交渉における交渉グループ(分科会)

(宮崎拓)

(英国、EU)

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