英国下院がEU離脱協定法案を大差で可決、1月末の離脱へ前進
(英国、EU)
ロンドン発
2020年01月10日
英国下院は1月9日、EU離脱協定法案の審議の最終段階(第三読会)を終えて採決を実施し、賛成330票、反対231票の大差で可決した。同法案は翌週から上院で審議され、修正動議が可決されれば下院に戻されるが、近日中の成立の可能性が高い。前政権下で繰り返し否決されてきた英国のEU離脱(ブレグジット)をめぐる合意(表参照)がついに下院を通過し、2016年6月23日の国民投票から約3年半を経て、ブレグジットが1月31日に実現することがほぼ確実となった。
EU離脱協定法案の成立は、2019年10月にEUと合意(2019年10月18日記事参照)した離脱協定案を英国が批准するための条件となるもの。現時点では同法案の成立に加え、EUとの合意(離脱協定案と政治宣言案)自体の議会承認も批准の条件となっている(2019年10月21日記事参照)が、今回下院で可決された法案はその条件を変更する規定を盛り込んでいるため、同法案が成立すれば、EUとの合意自体の議会承認を経ずに離脱協定案を批准できる。
EU側でも、欧州議会が月内に同協定案を承認する見通しで、関心は離脱後に始まる英EU間の将来関係に関する交渉に移っている(2020年1月9日記事参照)。
(宮崎拓)
(英国、EU)
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