欧州理事会、新欧州委員を正式指名、12月1日から始動

欧州理事会は11月28日、前日の27日に欧州議会が新欧州委員会を承認（2019年11月28日記事参照）したことを受けて、ウルズラ・フォン・デア・ライエン新委員長率いる新たな欧州委員会を正式に任命した。任期は12月1日～2024年10月31日までの4年11カ月で、当初の人事案が欧州議会に否認（2019年10月11日記事参照）されたことに伴う混乱で予定よりも1カ月短縮された。

「就任100日での実現公約」などの対応急ぐ

12月1日に発足する新欧州委員会委員の出身国と担当分野は次のとおり。

欧州労働組合連盟（ETUC）のルカ・ビセンティーニ事務局長は11月27日の声明で、「新欧州委員会はようやく、就任100日以内に実現するとした重大な公約を果たす段階に来た」とし、欧州の全ての労働者がフォン・デア・ライエン新委員長の公約した公正な最低賃金や、格差是正に向けて拘束力を持つ賃金体系の透明性、欧州グリーン・ディールなど、新欧州委の政策から恩恵を受けられることを心待ちにしているとのメッセージを公表し、新欧州委の取り組みを注視する姿勢を強調している。

（前田篤穂）