外商投資奨励産業目録、3月2日まで意見募集
(中国)
北京発
2019年02月13日
国家発展改革委員会と商務部は2月1日、「外商投資奨励産業目録」(以下、目録)の意見募集稿を公表した。目録は「2017年版外商投資産業指導目録」における「奨励類」の改訂版と、中西部、東北、海南省に投資する際に適用される「中西部地域外商投資優勢産業目録」の改訂版を統合したもの。意見募集は国家発展改革委員会のウェブサイトで3月2日まで行われる。
現行の「2017年版外商投資産業指導目録」は、外資の投資を奨励する「奨励類」と、外資の投資を制限・禁止する「制限類」「禁止類」の3つから構成されていたが、2018年6月28日に「制限類」「禁止類」が「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)」として分離されたことで、「奨励類」だけが有効となっていた(2018年7月2日記事参照)。
ハイテク技術関連の投資奨励項目が増加
今回の意見募集稿を2017年版と比較すると、外資参入が奨励される項目数が348から402に増加している。例えば、農・林・牧・漁業では、ワインなど醸造用のブドウやビール原料の育種、栽培、生産や、家畜・家禽の標準化された大規模な飼育技術の開発・応用などが追加された。また、食品製造業ではベーカリー食品、インスタント食品およびその配合材料の開発・生産が、紡織業では廃・中古繊維製品のリサイクルが新たに対象となった(注1)。製造業では、新エネ車における熱管理システムとコア部品、集中式ブレーキシステムのモーター、電池冷却システムが、コンピュータ・通信設備製造における量子コンピュータなど新型コンピュータシステムの研究・製造、超大規模集積回路製造用のエッチング装置、ICチップのパッケージ設備製造などが追加された。自動運転やコネクテッドカー関連の設備も追加されており、ハイテク分野での投資を促進する意向が見てとれる。電子商取引(EC)など電子商務システムの開発・応用サービスも今回対象に入った。
また、目録の後半部分を構成する中西部地域の外商投資優勢産業目録においては、2017年版において多くの項目にあった「中国側持ち株」「合弁、合作に限る」という制限が削除されている。
制限・禁止類を規定したネガティブリストは縮小の見通し
なお、外商投資関連の制度に関しては、参入前の内国民待遇とネガティブリストについて明記した「外商投資法」草案(2月24日まで意見募集中)の審議が全国人民代表大会で進んでいるほか(2019年1月4日記事参照)、ネガティブリストについては全国版と自由貿易試験区版の2種について近く改訂が行われ、外商投資が制限・禁止される分野が縮小される見通しとなっている(2019年1月22日記事参照、注2)。
(注1)現行の2017年版外商投資産業指導目録の奨励類については、「中国『外商投資産業指導目録(2017年改訂)』の概要と特徴(2017年7月)」に詳しい。
(注2)上記2種以外に、外資を含む全ての企業が対象となる「市場参入ネガティブリスト(2018年版)」が存在し、上記2種が規定する範囲外の分野における外資の投資については同リストが適用されることになっている。
(小宮昇平)
(中国)
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