国内取引との違い

国内取引とは異なる面が多くあり、様々なリスクがあります。

意思疎通面でのリスク

外国人との取引交渉においては、まず言語が異なるため、どちらかの国の言語や英語など第三国の言語を使用することになりますが、意思疎通がスムーズに進まず、誤解が生じるリスクがあります。また、言葉は通じても、各国の貿易管理制度や通関手続きなどの制度が異なったり、取引上の考え方や慣習が異なることにより、誤解や認識違いが生じるリスクがあります。このようなリスクを回避するためには、取引相手との交渉のやりとりをFAX、電子メールや手紙など文書でお互いに注意深く確認し合いながら進めることに加え、最終的には交渉の結果を全て盛り込んだ契約書を作成することが重要です。

法制度の違い

輸出の場合は、日本の輸出規制と相手国の輸入及びその他の取引規制。輸入の場合は相手国の輸出規制と日本の輸入規制を確認する必要があります。国によってはライセンスが必要であったり、商品の規格に適合していないと通関できないことがあります。また、輸入においては販売時の規制も確認しておかないと、輸入した商品をそもそも流通させられない場合があります。

カントリーリスク

外国(特に開発途上国)との取引においては、戦争、内乱、政治体制の変更などにより、輸出入や為替送金の停止などの事態に陥るリスクがあります。このようなリスクを回避するためには、事前に市場調査を行い、国際情勢や当該国の政治経済情勢・社会動向などを把握しておくとともに、リスクが高い国との取引においては、貿易保険[1] でカバーすることが必要となります。


[1] 貿易取引や海外投資において生ずる取引上の危険をカバーする保険。日本では、独立行政法人日本貿易保険が取り扱っている(一部保険は民間でも取り扱いが始まっている)。