政府のインセンティブ
政府・各省庁・自治体およびジェトロは対日投資を促進するため、相互に協力し様々な取り組みを行っています。
日本政府は様々なインセンティブにより積極的に対日直接投資を推進しています。外国企業・外資系企業の関心の高いインセンティブ等を紹介します。
対日投資に関連するインセンティブ
地域
「地方拠点強化税制」による税優遇措置
対日直接投資により、東京圏以外の地方都市(一部対象外の地域があります)に日本支社や研究所等の本社機能(※)を「開設・拡充」した場合、又は、東京23区に本社機能を持つ外資系企業が、東京23区から本社機能を東京圏以外の地方都市に「移転」した場合、地方拠点強化税制による優遇を受けることができます(要件を満たす必要があります)。
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本社機能は、「事務所」「研究所」「研修所」
税制措置を受けるための前提要件
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1.
本社機能の開設・拡充先又は移転先が、支援対象外地域(※)でなく、かつ都道府県において、本社機能の開設・拡充又は移転を推進する地域(地方活力向上地域等)に指定されていること。
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支援対象外地域は、首都圏、中部圏、近畿圏中心部の大都市など。ただし東京23区からの本社機能の「移転」については、2018年度の税制改正で、中部圏中心部や近畿圏中心部も支援対象となった。
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2.
事業者は本社機能の開設・拡充又は移転を開始する前(着工前)に本社機能を開設・拡充又は移転する計画(地方活力向上地域等特定業務設備整備計画)を作成し、都道府県の認定を取得すること。
なお、都道府県の認定を取得するためには、様々な要件を満たす必要がございますので、関心をお持ちの場合は開設・拡充又は移転を検討している都道府県にお問い合わせください。
名称 | 地方において本社機能を「開設・拡充」する場合(含対日直接投資) | 東京23区から本社機能を地方に「移転」する場合 | 管轄省庁 |
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雇用促進税制 |
増加雇用者1人当たり、最大60万円を税額控除。 2018年度以降、適用要件が緩和。詳細は、雇用促進税制 「利用手続きの詳細」覧に掲載のPDF「雇用促進計画提出の手続きパンフレット(平成30年度以降に適用年度が開始する場合)」2,3ページ及び19ページを参照。 |
増加雇用者1人当たり、最大90万円を税額控除。 2018年度以降、適用要件が緩和。詳細は、雇用促進税制 「利用手続きの詳細」覧に掲載のPDF「雇用促進計画提出の手続きパンフレット(平成30年度以降に適用年度が開始する場合)」2,3ページ及び19ページを参照。 |
内閣府 地方創生推進事務局 (厚生労働省 職業安定局 雇用政策課) |
設備投資減税(オフィス減税) |
【対象】特定業務施設(本社機能)の建物・建物附属設備・構築物 【取得価額】2,000万円以上(中小企業1,000万円以上) 【税制措置】特定業務施設の取得価額に対し、特別償却15%又は税額控除4% 詳細は、「地方拠点強化税制」 「地方拠点強化税制について」欄に掲載のPDF「(パンフレット)地方拠点強化税制のご案内」を参照。 |
【対象】特定業務施設(本社機能)の建物・建物附属設備・構築物 【取得価額】2,000万円以上(中小企業1,000万円以上) 【税制措置】特定業務施設の取得価額に対し、特別償却25%又は税額控除7% 詳細は、「地方拠点強化税制」 「地方拠点強化税制について」欄に掲載のPDF「(パンフレット)地方拠点強化税制のご案内」を参照。 |
内閣府 地方創生推進事務局(経済産業省 地域経済産業グループ 地域企業高度化推進課) |
地方税の課税免除又は不均一課税 | 認定事業者は、事業税(東京23区から「移転」した場合のみ)、不動産取得税、固定資産税について、地方公共団体から地方税の免除又は減税措置を受けることができる場合があります。 | 移転・拡充先の地方公共団体 |
特区等
名称 | 概要 | 管轄省庁 |
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国家戦略特区 | 国が定めた特区内における規制の特例措置、税制(法人税等の措置)・財政・金融上の支援措置。 | 内閣府 地方創生推進事務局 |
総合特区 | 指定された区域内における規制・制度の特例措置、税制(法人税等の措置)、財政・金融上の支援措置。「国際戦略総合特区」と「地域活性化総合特区」の2パターンある。地域の包括的・戦略的なチャレンジを、オーダーメードで総合的に支援。 | 内閣府 地方創生推進事務局 |
復興特区 | 被災各県における立地企業に対する規制緩和、優遇税制等の支援措置。 | 復興庁 |
地域未来投資促進法による課税の特例措置
(地域未来投資促進税制)
地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域への経済的波及効果が見込まれる事業(「地域経済牽引事業計画」)のうち、地域の成長発展の基盤強化に特に資するものとして主務大臣が定める基準に適合することについて確認を受けた事業に対する税制優遇措置。
優遇措置 | 税制措置 | 管轄省庁 |
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設備投資に係る課税の特例措置 ※参照:「税制支援」 |
【対象】承認された事業計画(法第24条の規定に基づく確認を得る必要があります)に基づき行う設備投資 【税制措置】 1.機械装置・器具備品: 特別償却40%、税額控除4% ※一定の要件を満たす場合は、特別償却50%、税額控除5% 2.建物・附属設備・構築物: 特別償却20%、税額控除2% 【取得価額合計額の支援対象限度額】80億円 【税額控除の上限額】当該事業年度の法人税額または所得税額の20% |
経済産業省 地域経済産業グループ 地域企業高度化推進課 |
地方税の課税免除又は不均一課税 | 事業計画(法第24条に基づく確認を得る必要あり)の承認を受けた事業者は、不動産取得税、固定資産税について、地方公共団体から地方税の免除又は不均一課税を受けることができる場合があります。 | 地方公共団体 |
被災地域での企業立地・雇用創出に対する補助金
名称 | 概要 | 対象経費 | 補助率 | 管轄省庁 |
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津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金(製造業等立地支援事業) | 東日本大震災で特に大きな被害を受けた津波浸水地域及び原子力災害被災地域において、工場(製造業)、物流施設、試験研究施設、コールセンター、データセンター等の立地を支援し、雇用の創出を通じて地域経済の活性化を図る。 | 土地取得費、土地造成費、建物取得費、設備費 |
補助対象地域や企業規模によって異なる。最大で、大企業1/3以内、中小企業1/2以内 *津波で甚大な被害を受けた市町村で第三者委員会の評価が特に高い案件は、50億円] |
経済産業省 経済産業政策局 地域経済産業グループ 地域産業基盤整備課 |
自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金(製造・サービス業等立地支援事業) | 被災者の「働く場」を確保し、今後の自立・帰還を加速させるため、福島県の避難指示区域等を対象に、工場等の新増設を行う企業を支援し、雇用の創出及び産業集積を図る。加えて、住民の帰還や産業の立地を促進するため、商業回復を進める。 | 土地取得費、土地造成費、建物取得費、設備費 |
補助対象地域や企業規模によって異なる。最大で、大企業2/3以内、中小企業3/4以内
補助金限度額(上限)30億円 *ただし、第三者委員会の評価が特に高い案件については、50億円とする。 |
経済産業省 経済産業政策局 地域経済産業グループ 地域産業基盤整備課 |
ふくしま産業復興企業立地補助金 |
東日本大震災及び原子力災害により広域的に被害を受けた福島県において、工場(製造業)、物流施設、試験研究施設、コールセンター等の立地を支援し、生産拡大と継続的な雇用創出を図る。 |
機械設備等の設置の初期経費(更新、入替は除く。) |
投資を実施する場所、企業規模によって異なる。最大で、大企業1/3以内、中小企業1/2以内。 【補助金限度額(上限):10億円】※ただし、知事が特に認める案件については30億円。 |
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ふくしま産業復興雇用支援助成金 雇入費 | 県が指定する、国や地方自治体等の補助金・融資を受けた事業者が、被災求職者を雇用する費用を助成。 | 被災求職者の雇入費 |
県内の中小企業において、1名の雇用につき、3年間で最大120万円を助成。 ただし、被災15市町村においては、企業規模を問わず1名の雇用につき、3年間で最大225万円を助成。 なお、1事業所当たりの上限は、3年間で2,000万円。 |
福島県 商工労働部 雇用労政課:助成金担当 |
ふくしま産業復興雇用支援助成金 住宅支援費 |
県が指定する、国や地方公共団体等の補助金・融資を受けた事業者が、住宅支援の導入等で職場環境の改善、雇用の確保・維持を図った場合に、住宅支援を助成。 | 住宅手当・借上住宅の費用 |
助成対象期間中に支出した助成対象経費の3/4以内の金額。 ただし、1事業所当たり1年間につき240万円を上限として助成。 なお、1事業所当たりの上限は3年間で720万円。 |
福島県 商工労働部 雇用労政課:助成金担当 |
復興特区による税優遇措置
名称 | 概要 | 税制措置 | 管轄省庁 |
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ふくしま産業復興投資促進特区 |
復興産業集積区域内において、雇用機会の確保に寄与する事業を行う事業者が設備投資や被災者雇用をした場合、税制上の特例が受けられる。ふくしま産業復興投資促進特区の特定の業種が対象。 詳細は、「復興特区」の「税制上の特例措置の概要」および「対象業種一覧」を参照。 |
機械・装置、建物等の投資に係る特別償却・税額控除、法人税等の特別控除、地方税(事業税・不動産取得税・固定資産税)の課税免除又は不均一課税 適用期間:2021年3月31日まで。 |
福島県 商工労働部 企業立地課 |
産業
産業競争力強化法によるインセンティブ
名称 | 概要 | 管轄省庁 |
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グレーゾーン解消制度 | 事業者が、現行の規制の適用範囲が不明確な場合においても、安心して新事業活動を行い得るよう、具体的な事業計画に即して、あらかじめ、規制の適用の有無を確認できる制度。 | 経済産業省 経済産業政策局 産業創造課 新規事業創造推進室 |
新事業特例制度 | 新事業活動を行おうとする事業者による規制の特例措置の提案を受けて、安全性等の確保を条件として、「企業単位」で、規制の特例措置の適用を認める制度。 |
環境エネルギー
名称 | 概要 | 管轄省庁 |
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グリーンイノベーション基金 | 2050年カーボンニュートラル目標に向けて、令和2年度第3次補正予算において2兆円の「グリーンイノベーション基金」を国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に造成。グリーン成長戦略の実行計画を策定している重点分野のうち、特に政策効果が大きく、社会実装までを見据えて長期間の継続支援が必要な領域において、具体的な目標とその達成に向けた取り組みへのコミットメントを示す企業等に対して、10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援。 基本方針(概要)(447KB) グリーンイノベーション基金事業 |
経済産業省 産業技術環境局環境政策課
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
研究開発
研究開発税制による税優遇措置
名称 | 概要 | 税制措置 | 管轄省庁 |
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研究開発税制 |
(平成29年4月以降の制度概要を参照) |
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経済産業省 産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課 |
特別試験研究費税額控除(オープンイノベーション型) |
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経済産業省 産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課 |
生産性
生産性向上特別措置法によるインセンティブ
名称 | 概要 | 管轄省庁 |
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新技術等実証制度(サンドボックス制度) | 参加者や期間を限定すること等により、既存の規制にとらわれることなく新しい技術やビジネスモデル等の実証を行うことができる環境を整備することで、迅速な実証及び規制改革につながるデータの収集を可能とする制度。 | 内閣官房 日本経済再生総合事務局内 新技術等社会実装推進チーム(内閣府と連携して内閣官房に設置) |
コネクテッド・インダストリーズ税制(IoT税制)(公募は終了しました) |
一定のサイバーセキュリティ対策が講じられたデータ連携・利活用により、生産性を向上させる取組について、それに必要となるシステムや、センサー・ロボット等の導入を支援する税制措置。 【対象設備】ソフトウェア、器具・備品、機械・装置 【税制措置】特別償却30%または税額控除3%。税額控除の割合は、賃上げを伴う(継続雇用者給与等支給額が対前年度増加率3%以上を満たす)場合は5%。 ※控除上限:税額控除3%の場合、法人税額の15%。税額控除5%の場合、法人税額の20%。 |
経済産業省 経済政策局 情報技術利用促進課 |
賃上げ・生産性向上のための税優遇措置
名称 | 概要 | 税制措置 | 管轄省庁 |
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賃上げ・生産性向上のための税制(大企業向け) |
賃上げ等を行った大企業に対して、給与等支給額の増加額の一部を法人税から税額控除する。 対象は2018年4月1日~2021年3月31日に開始する事業年度。 |
【要件】継続雇用者給与等支給額が前事業年度比で3%以上増加、かつ国内設備投資額が当期償却費総額の9割以上 【税制措置】給与等支給額の前年度からの増加額の15%を控除。教育訓練費が過去2年平均比で20%以上増加の場合、給与等支給額の前年度からの増加額の20%を控除(控除率5%を上乗せ)。 ※控除上限:法人税額の20% |
経済産業省 経済産業政策局 産業人材政策室 |
人材
外国からの高度人材受け入れ・外国人材の創業に関する優遇措置
名称 | 概要 | 優遇措置 | 管轄省庁 |
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高度人材に対するポイント制 | 高度な能力や資質を有する外国人の受入れを促進するため、ポイントの合計が一定点数に達した者を「高度人材外国人」とし、出入国管理上の優遇措置を講ずる制度。 日本版高度外国人材グリーンカード。 |
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国家戦略特区「外国人創業活動促進事業」による在留資格(通称スタートアップビザ) |
外国人が日本で創業する場合、通常「経営・管理」の在留資格の取得が必要(取得要件は、事業所の確保及び500万円以上の投資または2人以上の常勤職員の雇用等)。 前述の要件を満たさない場合でも、国家戦略特区における入管法の特例措置により、実施主体の地方自治体による審査の下、6カ月間、創業活動を行うための在留資格を得られる。 |
【手続】外国人起業家は、同事業の実施主体(地方自治体)に創業活動計画等を提出し確認を得る。 【対象地域】国家戦略特区のうち、同事業を実施する特区 【実施主体】 東京都、神奈川県、京都府、兵庫県、 新潟市、福岡市、北九州市、 仙台市、愛知県、 広島県、今治市 【在留資格の種類】「経営・管理(創業活動)」 【在留期間】6カ月(期間経過後も在留するには、要件を満たした上で在留資格「経営・管理」を取得する。) |
内閣府 地方創生推進事務局 |
「外国人起業活動促進事業」による在留資格(通称スタートアップビザ) |
外国人が日本で起業する場合、通常「経営・管理」の在留資格の取得が必要(取得要件は、事業所の確保及び500万円以上の投資または2人以上の常勤職員の雇用等)。 前述の要件を満たさない場合でも、「外国人起業活動促進事業に関する告示」に基づく特例措置により、実施主体の地方自治体による審査の下、最長1年間、起業準備活動を行うための在留資格を得られる。 |
【手続き】外国人起業家は、同事業の実施主体(地方自治体)に起業準備活動計画を提出し確認を得る。 【対象地域】同事業を実施する地方自治体 【実施主体】 新潟県、兵庫県、浜松市、福岡市、愛知県、岐阜県、神戸市、大阪市、茨城県(317KB)、京都府、三重県、大分県、北海道、仙台市、横浜市、渋谷区 【在留資格の種類】「特定活動」 【在留期間】最長1年(期間経過後も在留するには、要件を満たした上で在留資格「経営・管理」を取得する。) |
経済産業省 経済産業政策局 産業創造課 新規事業創造推進室 |
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