米エネルギー省、鉄鋼・化学等部門のGHG排出削減のため約60億ドルの資金を提供
(米国)
ニューヨーク発
2023年03月09日
米国エネルギー省(DOE)は3月8日、鉄鋼、アルミニウム、化学薬品、コンクリートなどの産業部門からの温室効果ガス(GHG)排出量を削減するため、約60億ドルを拠出すると発表した。資金は、インフラ投資雇用法(2021年11月9日記事参照)から4億3,000万ドル、インフレ削減法(2022年10月6日付地域・分析レポート参照)から54億6,000万ドルがそれぞれ拠出される。
産業部門の二酸化炭素(CO2)排出量は、米国全体で約3割を占める。今回の支援プログラムでDOEは、GHG排出の少ない原料開発プロセスや環境正義の観点などから地域社会の貢献度が高い最大65の支援プロジェクトを選定し、当該プロジェクトに対してプロジェクト費用の最大50%を手当てする。支援を希望する企業は、4月21日までにプロジェクトについてのコンセプトペーパーを提出した上で、本申込みを8月4日までに完了する必要がある。
米国において産業部門の脱炭素化の取り組みは、輸送部門や電力部門に比べて相対的に遅れていることが指摘されており、この巻き返しのため、DOEは2022年9月に「産業部門の脱炭素化に向けたロードマップ」を発表している(2022年9月9日記事参照)。ホワイトハウスもDOEの発表と同じ3月8日にカリフォルニア州やニューヨーク州など12の主要州とクリーンな工業製品の需要を促進するためのパート―ナーシップの締結したことを発表しており、連邦と地方双方のレベルにおいて、今後さらに産業部門の脱炭素化を加速させていきたい考えだ。
(宮野慶太)
(米国)
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