OPECプラス、現行の減産方針維持へ
(中東、ロシア、米国、欧州、世界)
中東アフリカ課
2023年02月02日
OPECプラス(注1)は2月1日、第47回共同閣僚監視委員会(JMMC)をオンラインで開催し、現行の減産方針を維持することを確認した。
OPECプラスは2022年9月まで増産態勢を維持したが、10月から減産に転じ、11月からは日量200万バレルの大幅減産を実施していた(2022年12月5日記事参照)。
OPECは1月17日に発表した1月号の「OPEC月例石油市場レポート」で、2023年の世界の石油需要の増加予測を日量222万バレル、増加率2.2%と前月予測から据え置いている。また、新型コロナウイルス感染拡大による規制の緩和を背景に、中国経済が回復し、石油需要も増加すると見通している。
なお、ロシアは2月1日から、同国産原油の取引価格に上限を設けている国への原油・石油製品を禁止した。これは2022年12月にG7とオーストラリア、EUが海上輸送によるロシア産原油の国際取引価格の上限を1バレル60ドルとした措置(2022年12月6日記事参照)を受けたもので、2023年7月1日まで施行する。また、今回のJMMCに先立ち、1月30日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が電話会談を実施し、OPECプラス内での協力について議論した(2023年2月1日記事参照)。
原油価格は2022年6月中旬ごろから下落傾向が続いている(添付資料図参照)。米国エネルギー情報局(EIA)の統計によると、1月30日時点で米WTIが1バレル77.97ドル、北海ブレントが84.61ドルとなっている。
次回の第48回JMMCは4月3日、第35回閣僚級会合は6月4日に開催予定(注2)。
(注1)サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などOPEC加盟国と、ロシア、メキシコなど非加盟の産油国で構成される。
(注2)第33回、34回閣僚級会合で、JMMCが追加会合の開催と、必要に応じていつでもOPECプラス閣僚級会合の開催を要請できる権限を持つことで合意した。
(久保田夏帆)
(中東、ロシア、米国、欧州、世界)
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