ドイツ、中国からの入国者に新型コロナ陰性証明書の提示義務付け
(ドイツ、中国)
ベルリン発
2023年01月10日
ドイツ連邦政府は1月6日、EU加盟国による中国からの渡航者に対する新型コロナウイルス陰性証明書提出の義務付けを推奨する合意(2023年1月5日記事参照)に対応し、新型コロナウイルス入国規制にかかる政令の改正を公布、翌7日から施行した。
今回の改正では、従来の「変異株まん延地域」(注)に新たなカテゴリーを追加、「懸念される変異株が発生する恐れのある変異株まん延地域」を設定した。同地域からの12歳以上の入国者に課す措置は以下のとおり。
- 新型コロナワクチン接種の有無にかかわらず、ドイツ入国前48時間以内に実施した新型コロナの陰性証明書(PCR検査または抗原検査)の提示を義務付ける。
- ドイツ到着後に無作為の新型コロナの迅速抗原検査を実施する。
ロベルト・コッホ研究所(RKI)は1月7日、中国(香港を除く)を「懸念される変異株が発生する恐れのある変異株まん延地域」に指定。9日に適用開始となり、同日以降、中国からドイツへの渡航者には前述の1.と2.の措置を課している。
中国からの入国には重要な渡航理由も引き続き必要
ドイツでは、2022年6月11日から日本を含む欧州域外からのドイツ入国に際して、新型コロナワクチン接種証明書や陰性証明書、回復証明書の提示義務を撤廃しているほか、連邦警察が認める「重要な渡航理由」の提示も不要となった(2022年6月14日記事参照)。しかし、中国在住者(中国在住のドイツ国籍者を除く)の入国については、新型コロナ関連の証明書の提示義務とは別途に、入国の際の重要な渡航理由が引き続き必要だ。
なお、ドイツ外務省は7日、中国での新型コロナ感染者数は2020年の流行開始以来の最多水準に達し、医療逼迫が生じているため、緊急医療事態への適切な対処ができない可能性を同省ツイッターで指摘、中国への不要不急の渡航は推奨しないとした。
(注)ドイツ連邦政府は現在、各国・地域ごとに感染状況を踏まえ、「国際リスク地域」として「変異株まん延地域(Virusvariantengebiet)」を指定し、検疫措置を講じている。国際リスク地域は随時更新している。
(中村容子)
(ドイツ、中国)
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