米FDAとCDC、mRNA型2価ワクチンの対象年齢を生後6カ月以上に引き下げ

(米国)

ニューヨーク発

2022年12月12日

米国食品医薬品局(FDA)は12月8日、モデルナとファイザー・ビオンテック製の新型コロナウイルスのオミクロン株に対応する改良ワクチン(2価ワクチン)の接種対象年齢を生後6カ月に引き下げた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。これまで2価ワクチンは、モデルナ製は6歳以上、ファイザー・ビオンテック製は5歳以上が対象となっていた(2022年10月14日記事参照)。

現在、生後6カ月以上5歳未満に対するファイザー・ビオンテック製の1価ワクチンは、3回の接種をもって完了としている。同年齢層で3回目の接種を済ませていない場合は今後、同社製2価ワクチンが3回目として接種されて完了となる。3回分の接種を既に1価ワクチンで済ませている場合、現在流行しているオミクロン株に感染したとしても、深刻な結果になる可能性は高くないという理由で、接種完了後の1回目の追加ワクチン(通算4回目)として2価ワクチンを接種することは現在のところ承認されていない。

なお、生後6カ月以上6歳未満で、モデルナ製の2回のワクチン接種を完了している場合、2回目の接種から2カ月経過後、追加接種としてモデルナの2価ワクチンを接種することが可能となった。副反応については、両ワクチンとも1価ワクチンと同程度としている。

FDAによる承認を受けて、米疾病予防管理センター(CDC)も12月9日、同ワクチンの接種対象年齢の拡大外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますをFDAの発表内容と同様に推奨した。CDCは発表で「この年齢層の子供の大半はまだ1回も接種を受けていない」とし、「保護者や医療提供者からの信頼を高め、ワクチン接種をまだ完了していない95%の子供たちの接種率を上げるための改善に取り組んでいる」とした。

CDCが12月9日に更新した全米の新型コロナウイルスの新規感染者数の7日間平均は6万5,569人外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、前週の4万3,825人から49.6%増加している。また、CDCの統計によると、国内の12月4~10日の新規感染者は全てオミクロン株によるもので、「BQ.1.1」が全体の36.8%、次いで「BQ.1」31.1%、「BQ.5」11.5%、「BF.7」5.7%、「XBB」が4.7%となっている。

FDA長官のロバート・カリフ医師は12月8日の発表で「新型コロナのウイルスは変異し、これまでのワクチンによる免疫は低下しているため、より多くの人が2価ワクチンを受けることにより、重症化、入院、死亡を防ぎ、個人、家族、公衆衛生にとって有益となる」とした。

(吉田奈津絵)

(米国)

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